星稜(石川)で夏の甲子園準優勝投手となったヤクルト奥川恭伸投手(20)が、プロ初の甲子園で7回4安打1失点と好投した。「懐かしいなと思いながら。阪神ファンの応援もすごかったので、すごくワクワクしたというか、今日のゲームはすごく面白かった」。19年8月22日夏の決勝・履正社(大阪)戦以来の聖地でのマウンドだった。

「甲子園は高校の時にやりましたけど、そんなに特別には思っていないですね。また違うものだと思っているので、しっかりやりたいなと思っています」と言ってマウンドへ上がった。デーゲームが多い高校野球と違い、ナイター。背中を押してくれた観客も、阪神ファンに変わるビジター登板。切り替えた。

「甲子園という舞台で試合をすることができて、満員の中で試合をすることが多かった。その経験ができたのは大きかった。あまり緊張もしなくなった」と振り返る。一番の思い出は19年、高3夏の3回戦、智弁和歌山戦。延長14回を165球23奪三振で投げ切った。「当時は勝ちたい一心でやっていたのであれですけど、今となれば頑張りすぎたのかなと」。4月16日には20歳になった。夏の死闘から2年。より自分と向き合えている。

高校時代があったからこそ、今がある。だが、それは思い出として、奥川の中で区切りがついている。甲子園を特別ではないと言い切る平常心が頼もしい。【湯本勝大】

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