西武、中日で通算2050安打を重ねた和田一浩氏(49=日刊スポーツ評論家)が社会人野球JR東海の臨時コーチに就任し、8日、愛知・瀬戸のグラウンドで打撃指導を行った。選手を洞察してから、指導開始。バットが上から出ていた藤井倭外野手(22=大産大)には「面で打つイメージで」と、テニスラケットで振らせた。頭が突っ込んでいた伊藤寛士内野手(24=法大)には「突っ込むと打てないから」と、あえてポイントを近くにした置きティー。各自の課題に応じた練習法を伝授した。

藤井は「今までやってきたことが全部くつがえされました」。伊藤も「打撃投手の球を打ったら、捉える感覚が違いました」と早速、手応えを得た。和田氏は「個々で修正ポイントは違います。“枝葉”ではなく、そこを直せば全体が良くなる“幹”を正すことが大事」と意図を説明した。

JR東海は創部100年目の昨季、都市対抗本戦出場を逃した。新たな100年への第1歩となる今季、和田氏には都市対抗予選終了まで指導してもらう。久保恭久監督(60)は「野球だけでなく、人生における財産を得るチャンス」と期待を寄せた。【古川真弥】