“わっしょい”ではなく“よいよい”ベースボールだ! ヤクルトは村上宗隆内野手(21)と山田哲人内野手(29)の五輪組の活躍で巨人に打ち勝った。

東京五輪の閉会式でも登場した東京音頭が、松山で何度も流れた。1点リードで迎えた4回、先頭の村上が27号ソロ。東京五輪決勝での先制ソロと同じように、打球をバックスクリーン左へ突き刺した。

主砲の1発に、五輪MVP男も黙っていられない。2失点で同点に追いつかれた直後の6回、山田が打席に入った。2球目の130キロフォークを左翼席に運ぶ26号ソロ。ダイヤモンドをゆっくり回り、次打者で控えていた村上とハイタッチした。金メダリスト2人が起爆剤となり、6回は打者一巡9得点の猛攻。合計13安打13得点と打線が踊り踊った。山田は「すごい一体感を感じる。強いチームだなと思う」と言った。

揺れる傘とともに、ファン1人1人の心の中から発せられた「よいよい」の合いの手が球場を包み込んだ。東京五輪・パラリンピック開催により、本拠地神宮が使用できない状況。久しぶりの主催試合となり、松山が“花の都”となった。背中を押されるように「わっしょいベースボール」を掲げ、後半戦3連勝の巨人のお株を奪った。

4連勝で2位巨人に0・5ゲーム差に迫った。山田は「1人1人の勝ちたいという思いは前半戦より強く感じる」と話す。目の前の試合に勝ち続けて、逆転優勝へ。すべては積み重ね。東京音頭で球場を盛り上げた分だけ、歓喜の瞬間が近づく。【湯本勝大】

▽ヤクルト高津監督(3番山田、4番村上が活躍)「オスナも含めて3、4、5番が打点を挙げる。今日みたいな形はすごく理想なのかなと思います」