日本ハム伊藤大海投手(24)が楽天打線を7回7安打2失点に抑え、チームトップの9勝目を挙げた。パ・リーグで新人王を争う楽天早川との初の投げ合いを制しての勝利。チームは引き分けを挟んでの連敗を2で止め、2カードぶりとなる初戦白星となった。

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しびれる場面にも伊藤は動じなかった。7回2死満塁。この日最大のピンチを迎えても「これ以上の失点は許されない場面。ここを切り抜けて(ベンチに)帰るのか、3点目、4点目を許してしまうのでは大きな違いがある」と落ち着いていた。カウント2-2から島内をチェンジアップで二ゴロに打ち取り、グラブをポーンとたたき右手でガッツポーズ。「なんとか抑え切れてよかった」と、7回2失点で勝利をたぐり寄せた。

立ち上がりから140キロ終盤の直球と変化球をコースに集め、再三走者を背負っても粘り強く投げ続けた。「常に自分のいいボールを投げることだけを考えて、気持ちで左右されることなく投げ通せたのがよかった」と振り返った。

大学時代に日本代表でチームメートだった早川との初の投げ合いを制した。5回4失点で降板した左腕に対し、7回まで登板し107球。相手より先にマウンドから降りないことを意識しつづける右腕が意地を見せた。ヒーローインタビューでは「意識していないとは言っていましたけど、どうしても(意識)する部分はあった。本当に最高の勝利かなと思う」とかみしめた。

栗山監督は「状態はあんまり良くなかったけど、そういう時に真骨頂というか、どういうふうに投げるのかが大事なので。本当によく粘りきった」と評した。これで2ケタ10勝に王手。伊藤は「変わらず1球1球野球を楽しむ、自分らしく思い切ったプレーをするということを忘れずにしっかり取り組んでいきたい」と引き締めた。【山崎純一】