阪神2軍がウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)に勝利し、自軍のファーム連勝記録を「18」に更新した。

1軍と2軍の違いこそあるものの、54年南海、60年大毎のプロ野球記録に並んだ。その“日本記録”に攻守で貢献したのはドラフト4位の栄枝裕貴捕手(23)だった。

0-1の5回1死二、三塁、栄枝は先発中村祐の誘ってきた外角低めの変化球3球をきっちりと見極めた。「変化球3球で3ボール。甘い真っすぐがきたら絶対に打ってやろう」。4球目、カウントを取りにた真っすぐを強振。左中間を割る逆転の2点適時三塁打に「狙い通り」と三塁ベース上でにやりと笑った。「輝(佐藤)がいるうちに(技術を)吸収して。輝がいるおかげで自分ももっと頑張らないと、という気持ちになる」。思わぬ形で2軍で共演となった同期のスラッガーを刺激にしている。

マスクをかぶっては4投手を引っ張り、中継ぎ3投手が無失点など9回を2失点にまとめた。「リリーフ陣に対してのリードは良かった」と手応えも口にした。低めを要求するときには何度も両手で“低く”とジェスチャーで示し、ボールでいいカウントではミットを大きく外して構え、甘く投げさせないよう丁寧にリード。平田2軍監督は「連勝中は栄枝がピッチャーを引っ張っている。うまくリードしている」と評価した。【前山慎治】