ロッテが無類の強さで楽天投手陣を圧倒した。1点を先行されたものの、ブランドン・レアード内野手(34)の23号2ランなど2本塁打で早々と逆転。13安打9得点で畳み掛け、7月以降、楽天に負けなしの9連勝とした。

前カードから1分けを挟んで4連勝で、貯金は今季最多の12に。首位を争うオリックスが敗れ、最短で16日にも優勝マジックが点灯する。

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レアードが3連戦で2度ヒーローになった。同点に追いついた3回、なおも1死二塁で、楽天石橋の直球を打ち上げ、柵越えを確信。「勝ちにつながるホームランを打ててうれしい。チームのために何とかしたい気持ちがこの結果につながっていると思います」。“イクラ軍艦”を握ると、4回も2点打で貢献した。

10日にもサヨナラ打を放ち、3連戦で3発含む7安打7打点を荒稼ぎ。チーム104本塁打のうち、約半分の48本をレアードとマーティンが占める。ベンチからは「ハイボールを打て」「ベルトハイだ」の鼓舞が飛ぶ。井口監督は「我々がずーっと叫んでます。黙っていたら低めをぶんぶん振るので。あの2人は」。目付けを意識させ、ボール球を振らせないことで同時に好調を維持している。

前日に34歳の誕生日を迎え、来日している家族とチーズケーキを食べて過ごした。祖父もめいっ子も同じ誕生日。朝目覚めると、米国の親族からたくさんメッセージが届いていた。「今晩、父が電話してくれると思うので楽しみ。みんな活躍を祝ってくれると思う」。忘れられない米中枢同時テロから20年でもあり、悲喜が交錯する9・11に温かさをかみしめた。

腰痛のためシーズン途中で離脱した昨年の悔しさを糧にする今季。「去年はがっかりな、自分でも残念なシーズンだった。(今年は)いい野球をチーム全体で戦っている。これから先、楽しみです」。中村奨も復調し、中軸を中心に優勝の2文字は確実に近づいている。【鎌田良美】

▽ロッテ中村奨(3回の同点8号ソロなど3安打) 早く追いつきたかったので打ててよかったです。打ちました~っ!