低めの緩いカーブを、重心をためて、うまくすくい上げた。オフにはラッパーとしても活動する異色の新助っ人、日本ハムのロニー・ロドリゲス内野手(29)が2回、左翼ポール直撃の先制ソロアーチを放った。天を指し、小躍りするように祈りながらホームベースを踏むと、笑顔で一塁側ベンチで待つチームメートの元へ。仲間の輪には「アミーゴ」と慕う谷内も待っていた。「ユー・ノー・グッド・バッド!」。おどけながら、親友とハイタッチで喜びを分かち合った。

打席に入る前、谷内に「2つバットがあるけど、どっちがいい」と尋ねた。「こっちだ」と助言を受けたのに、あえて別のバットを握った。「今日はちょっと谷内さんの日じゃないような気がした」という予感は的中。流れを呼ぶ1発に「運をもたらしてくれないアミーゴを信じなくて良かったです」。皮肉なコメントは、不慣れな日本生活を支えてくれる友人へ、愛情と感謝の裏返しだった。

初めてのヒーローインタビューでは、愛称「エル・フェリーノ」(スペイン語で猫)にちなみ“猫ポーズ”も披露した。来日3本目で、ようやくチームも勝って「期待してチャンスを与えてくれたチームを、しっかり手伝うことが出来て良かった」。敵地に、忘れられない思い出を刻んだ。

▽日本ハム栗山監督(決勝3号ソロのR・ロドリゲスに)「もちろん使う意味は、あそこ(長打力)なんでね」