ソフトバンク松田宣浩内野手(38)が史上44人目、ホークスでは5人目となる300号アーチを描き、4カ月ぶりとなる今季最長タイの4連勝を呼び込んだ。今季初の5番起用に応え、3点リードの3回に浜屋から13号2ラン。9点大勝を導いた。首位ロッテが敗れ、4位ながらその差は5ゲームに接近。残り6試合から3・5ゲーム差を逆転した10年の優勝を知る「熱男」が、「ぼくたちはあきらめない」と力強くネバーギブアップを誓った。

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節目の1発は、松田を象徴する打球になった。3点リードの3回2死二塁。浜屋の真っすぐをとらえた打球は15年に増設され、本塁打量産の後押しをしてくれた、得意の左翼テラス席へ飛び込んだ。今季初の5番起用に応え、リードを5点に拡大。お決まりの「熱男!」ポーズを決めた後は、指で「3・0・0」の形を作って喜びを表した。

思い出すのはプロ1号の記念弾だ。ルーキーだった06年4月22日のオリックス戦(大阪ドーム)。「当時の王監督が、なかなか結果も出ないのに、1本目が出るまで使っていただいた。こんなに1軍ってすごいんかというレベルを感じながら、1本目が出てからスタートした」。開幕からスタメンで出続け、22試合目で出た本塁打だった。

そこからプロ16年目で到達した大台。「16年しっかりやってきて、本当にうれしいです」と胸を張った。「まだまだ通過点だと思うので、1本1本増やしていきたい。301本目をチームの勝利のために打てたらと思います」と力強く言った。

9得点の大勝を導き、5月以来となる今季最長タイの4連勝。首位ロッテが敗れ、ゲーム差は5に縮まった。今季はあと20試合だ。松田は残り6試合から3・5ゲーム差を逆転した10年のVも経験している。松田も、チームも、まだまだ逆転優勝をあきらめなてはいない。大ベテランが、終盤戦で勢いづくチームをさらに加速させる。【山本大地】

 

▽ソフトバンク栗原(初回に先制決勝のタイムリー二塁打)「真っすぐを仕留めることができました。しっかり自分のスイングができたと思います」

▽ソフトバンク・デスパイネ(3回に2点適時二塁打に)「打ったのはフォーク。つないだチャンスだったので、とにかく追加点をと思って打席に入った。大きな追加点を取れた思う」

▽ソフトバンク牧原大(5回に左翼越えの2点適時打)「打ったのはスライダー。いい流れの中での打席だったので、思い切っていくことができました」