広島が1日、マツダスタジアム内でスカウト会議を行った。白武佳久スカウト部長(61)は11日のドラフト会議で1位指名候補として、市和歌山・小園健太投手、高知・森木大智投手、ノースアジア大明桜・風間球打投手(いずれも3年)の高校生右腕に絞り込んだことを示唆した。

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約3時間に及んだスカウト会議で、ドラフト1位指名選手の方向性を定めた。白武スカウト部長は「3人のうちの1人に行くのではないかなという内容の話が出た。どうなるか分からないが、現時点では」と示唆。3人とは、将来性ある高校BIG3。市和歌山・小園、高知・森木、ノースアジア大明桜・風間の速球派右腕だ。

昨季まで2年連続Bクラスに終わり、今季も下位に低迷するチーム事情を考えれば、先発、中継ぎともに即戦力が欲しいところ。ただ、総合的に判断して、広島は高校生右腕の指名にかじを切ったとみられる。高卒投手のドラフト1位指名獲得となれば、09年の清峰・今村以来。高校生とはいえ、近年は眼力高いスカウト陣が選んだ素材を球団の育成プランで早期昇格につなげている。今季中盤から先発ローテーション入りした玉村のように、高卒2年目投手の1軍昇格が続いている。たとえ将来性重視の指名でも、早く1軍の戦力となる可能性は十分ある。

この日の会議では、大学社会人の指名候補選手約20人の映像をチェックした。投手は筑波大・佐藤隼輔投手(4年=仙台)、西日本工大・隅田知一郎(ちひろ)投手(4年=波佐見)、関学大・黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)ら30人、野手は慶大・正木智也外野手(4年=慶応)、上武大・ブライト健太外野手(4年=葛飾野)ら18人を最終確認。高校生の候補37人を含め、指名候補を85選手に絞り込んだ。この日が広島で行う最後のスカウト会議。10日に都内ホテルで行う会議で最終結論を出し、11日に運命の日を迎える。【前原淳】

◆小園健太(こぞの・けんた)2003年(平15)4月9日生まれ、大阪府出身。小学1年から軟式野球を始める。貝塚一中では貝塚ヤングに所属し全国制覇。市和歌山では1年春からベンチ入り。今春センバツに出場した。50メートル走6秒7、遠投120メートル。特技は書道、料理。184センチ、90キロ。右投げ右打ち。

◆森木大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日生まれ、高知県出身。小学3年時に軟式野球を始め、内野手や捕手、投手を経験した。高知中では1年時から投手。3年時に春夏の全国大会を制覇。高知では1年春からベンチ入りし、同年夏からエース番号1。184センチ、90キロ。右投げ右打ち。

◆風間球打(かざま・きゅうた)2003年(平15)10月11日生まれ、山梨県出身。小学1年から野球を始め、同3年から投手に転向。塩山中時代は笛吹ボーイズでプレー。明桜では1年春からベンチ入り。今夏の選手権に出場し、2回戦で明徳義塾に敗れた。183センチ、81キロ。右投げ左打ち。