勝利の女神が、ほほえまない。楽天田中将大投手が7回7安打2失点も、7月13日以来約3カ月ぶりの今季5勝目を逃した。

先発では08年以来13年ぶりとなる自身最長タイの8戦勝利なし。2回に2点の先取点をもらったが、7回2死二塁から川越に同点打を打たれ、天を仰いだ。7回中4度先頭打者の出塁を許し「なかなか苦しい投球になってしまった」と反省。チームはサヨナラ負けで連勝が3でストップ。2位ロッテとのゲーム差は2と広がった。

好投とは裏腹に、白星が遠い。今季10度目のハイクオリティースタート(7回以上自責2以下)を達成。後半戦は8試合で防御率2・94も、チームは0勝6敗2分け。なかなかかみ合わない現状も「チームが良い流れで来ていた中で、自分の投げるゲームでこういう形になってしまったことは残念ですけど、自分にできることをその時その時やっていくだけ」と前を向く。

7回終了後、ベンチに座ると顔をしかめ、壁へ後頭部を軽く3度ぶつけた。悔やんでも悔やみきれない。自らへのフラストレーションをあらわにした。「自分にできることを、自分の1登板1登板、ベストを尽くしてやっていくということに変わりはない」。今季の先発予定はあと2、3試合。1勝でも多く、つかみとる。【桑原幹久】

▽楽天石井GM兼監督(田中将に)「要所で本当に彼らしい安定感を見せてくれた」