巨人亀井善行外野手(39)が今季限りで現役を引退することが分かった。今日21日にも球団から正式発表される。上宮太子高から中大を経て、04年ドラフト4位で巨人入り。今季でプロ17年目のベテランがバットを置く。喜怒哀楽を隠さず、素を貫く、コテコテの野球人だった。印象的なシーンを当時の記事で振り返る。

【イチローが認めた才能(19年3月16日、オープン戦ヤクルト戦)】

巨人亀井がプロ入り初の満塁本塁打を放った。1回無死満塁、ヤクルト原のシュートを強振し、右中間席に運んだ。

「オープン戦の時期は、ひと振りでいい結果が出せるように心がけています。ひと振りにかける思いが強いです」

10年前、強烈なひと振りを目に焼き付けた。自身も選出された09年のWBC決勝の韓国戦。同点の延長10回にイチローが決勝打を放った。「すごかった。さすがスーパースターだなと」と感激した。

忘れられない言葉が胸に残る。不動のレギュラーではなかった自分が選ばれ、自信もなかった。だが、イチローが侍ジャパンを率いた原監督に「亀井っていい選手ですね。守備もバッティングも。チームにいてくれたら助かる選手です」と言ったことを伝え聞いた。

あれから10年。「楽しみです」と17日のマリナーズ戦での再会を待ち望んだ。