今季限りで引退した日本ハム斎藤佑樹投手(33)が、NHK中継にゲスト出演し、伝統の早慶戦で“解説者デビュー”した。

慶大の優勝を見届けると「まずは慶応堀井監督の起用にしっかりと応えた4人のピッチャーと、それをリードした福井キャプテンの信頼関係が本当に素晴らしいなと思いました。早稲田の方は小宮山監督をはじめとする、最後まであきらめない姿勢を見せていただいて、個人的な話ではあるんですけど、僕の第2の人生のためにもこの試合を見られて本当に勉強になりました。久しぶりの早慶戦は最高でした」と語った。

早慶戦を生観戦したのは、群馬・生品中に通っていた中学以来。「これからこの早慶戦をへて、きっといろいろなことがあると思いますし、今の仲間というのは一生付き合っていく仲間だと思います。切磋琢磨(せっさたくま)して、このことを忘れないように頑張ってほしいと思います」とエールを送った。

試合は早大が1回に3点を先取しながら、テレビ中継中に斎藤が「次に得点を奪ったチームに流れが来るんじゃないかと思います」と“予言”した通りの展開に。

追いつかれた母校の早大は、8回3失点の先発徳山壮磨投手(4年=大阪桐蔭)が、8回を投げ終えると一塁側ブルペンに向かい、2番手の西垣雅矢投手(4年=報徳学園)に声を掛けた。

降板する直前のエースの行動。プロでは見られない光景に、斎藤は「徳山くんが西垣くんにブルペンで声を掛けている姿を見て、すごく懐かしく感じました。僕も(西武ドラフト1位の抑え)大石がいてくれたので、最初から思い切り投げることができました」と学生時代を思い返した。

斎藤は東京6大学リーグ通算61試合に登板し、31勝15敗。

第100代主将を務めた早大4年秋には、50年ぶりとなる早大、慶大による優勝決定戦に先発。8回1死までノーヒットに抑える好投で優勝に導いた。試合後は、のちに流行語大賞特別賞を受賞した「持っているのは仲間です」の名スピーチが飛び出した。