まさに高津臣吾監督(52)の掲げる「つなぐ野球」で、日本シリーズ進出に王手をかけた。全員が同じ意識を持っているからこそ、打線はつながっている。

CSファイナルの第1戦は、先発の奥川恭伸投手(20)が7回1死二塁で犠打を決め、追加点につなげた。8回には、1死一塁で中村悠平捕手(31)が初球で犠打を成功させた。

時に、攻撃の流れを左右する犠打。1球で決めて流れを加速させることもできるし、難しいカウントからうまく転がせば球場は大いに沸く。

第2戦でも、中村が1死一、二塁で三塁側に見事な犠打を初球で決め、追加点をお膳立て。7回1死一塁の場面では、代打の宮本丈内野手(26)も投犠打を1球で決めた。

まさに、日頃の練習の成果がここぞという舞台で出ているのだと思う。早出練習から、犠打を練習する打撃マシンが置かれている一塁側のファウルゾーンには、常に選手がいる。宮本や渡辺大樹外野手(24)、長岡秀樹内野手(20)らは全体練習が終わるまで、バント練習に時間を費やしていることもある。嶋基宏捕手(36)や川端慎吾内野手(34)のベテラン勢も、練習は欠かさない。若手にとっては、その姿を見ることも勉強になっているだろう。切れ目のない打線は、日々の練習から生まれている。【保坂恭子】