筑波大(1部6位)が3-0で独協大(2部1位)を下し、1勝1敗のタイとした。

1-0で迎えた8回裏に、代打仲井淳人(3年=県立星陵)が勝利を大きく引き寄せる右越え2ラン。先発し6回無失点の吉本孝祐(4年=彦根東)から北爪魁(2年=高崎)、西舘洸希(3年=盛岡三)と完封リレーでつないだ。2000年(平12)秋から続く1部残留をかけ、15日の第3戦に臨む。

「味方の」エースキラー仲井が大仕事をやってのけた。8回1死二塁、独協大3番手の右腕・庭田恵地(3年=市立柏)の真ん中高めのフォークを引っ張ると、豪快に右翼席にたたき込んだ。「つないでくれたチャンス。今まで結果を出せなかったので、なんとかここでという思いだった」と1打席にかけた。勝負どころで、西武2位指名の左腕・佐藤隼輔(4年=仙台)から紅白戦で5割近く打ち込む打撃センスを発揮。「相性がいいだけです。佐藤さんのストレートとスライダーはすごい。紅白戦では力を抜いて投げているんで」と謙遜するが、フロックではなかった。

1勝以上に価値のある1発だ。敗れた前日の初戦に先発したエース佐藤は、負けたら降格となる「後のない試合」でスタンバイしていた。川村卓監督(51)は「9回まで競ったり、タイブレークでは使うつもりだった」と連投を覚悟したが、「あれで余裕ができた」と最終戦に温存することができた。

高校球界で「せいりょう」といえば石川の星稜が有名だが、兵庫の県立進学校星陵から一般入試で合格した。「弱小校だし、いつも星稜と間違われますね」と苦笑いする高校時代は、4番捕手として3年春の8強が最高で、最後の夏は3回戦で敗れた。「グラウンドの右翼が狭いんで」と言いながらも高校通算25発。「筑波はほとんどが一般入試なので、リーグ戦に出て活躍したいという気持ちは人一倍強い」と努力を続けてきた。今リーグ戦では上体が前に突っ込み不振だったが、入れ替え戦にむけて徹底的に重心を軸足に残す練習を重ね修正してきた。「来年僕らの代が2部から始まるかどうか。勝つしかないです」と最終決戦に向け決意を新たにした。【野上伸悟】