右尺骨骨折が完治せぬままCSファイナルに出場したオリックス吉田正尚外野手(28)が、20日開幕の日本シリーズで守備に就く意気込みを示した。ヤクルトの主催試合となる第3~5戦(東京ドーム)はDH制が採用されない。

「そうじゃないと(試合に)出られないですもんね。セ・リーグの主催試合は…。監督やスタッフとも相談していきます。あとは日々、状態を確認という感じです」

代打出場では1打席に限定される。試合で4~5打席に立ち、勝利に貢献するため、マッチョマンは急ピッチでスローイングを練習。15日にチームは京セラドーム大阪で全体練習を再開。吉田正はキャッチボールで、塁間の距離をビシッと投げた。さらに三塁の位置でノックを受け、一塁や二塁に送球。骨折した右手首には「日々良くなっている。確認の段階。強度を上げていくという感じです」と説明。「正直、(今季中の)完治は難しいかもしれない。チームに迷惑は掛けられないので、できる範囲でプレーを…」と選手会長は先発出場に執念を燃やす。

ロッテとのCSファイナルステージでは3試合で10打数3安打の打率3割をマーク。故障を感じさせないスイングで、脅威を与えた。この日のフリー打撃では、打球の角度も上がっていた。「(状態は)良くなって停滞という感じもある。衝撃が強ければ、次の日は多少の痛みもあります」。無理は禁物だが、満身創痍(そうい)のコンディションで、日本一の頂を目指す。【真柴健】