追い求めてきた1発だった。2回先頭、慶大・正木智也外野手(4年=慶応)は外寄り138キロを右翼席に放り込んだ。

リーグ通算10本塁打。右中間はあっても、神宮の右越えは初めてだった。「完璧でした。逆方向のホームランは4年間、ずっと目標にしていたこと。こういう場面で打ててうれしいです」。一塁を回ると、力強く右拳を突き上げた。バットを内側から出す取り組みが実った。

今秋の東京6大学リーグ戦は0本塁打に終わった。優勝はしたが、4番の責任を感じていた。目標の4番がいる。2年前の神宮大会、大勝した関大との決勝で先制2ランを放った郡司(現中日)だ。「僕は5番で出させていただいて。目の前で郡司さんがホームラン。ああいう活躍ができればチームが勝てる」。学生最後の大会。自らのバットで史上5校目の年間4冠(春、秋リーグ戦、大学選手権、明治神宮大会)をつかんでみせる。

【関連記事】明治神宮大会 高校の部、大学の部詳細スコア