西武の鉄腕・平井克典投手(29)が、背水の覚悟で三十路(みそじ)街道を突っ走る。

今季は開幕前から先発を志願。開幕ローテーション入りし3連勝を飾った。しかし7試合連続で白星から見放され、中継ぎに配置転換された。中継ぎでは14試合で防御率1・59と安定感を発揮したが、9月末には右前腕を負傷。そのままシーズンを終え「何も収穫はないです」と満足感はなかった。

秋季練習ではリハビリ組で過ごした。最終クール、約2カ月ぶりにブルペン投球ができるところまで回復。来シーズン、先発志願は「そこは僕が決めることじゃないので、やれって言われたことをやるだけ」と封印する。このオフは、春季キャンプ初日から100%の状態で臨めるように準備するだけだ。

12月に誕生日を迎え、来季は30歳で迎えるシーズンとなる。「(目標の)数字なんて言ってられる余裕なんてない。30代、崖っぷちのシーズンだからね。まだまだ頑張るよって感じ。若い子には負けられないと思って走り続けます。まだじじい、ここから覚醒するから見ていてください」と、気を吐いた。【栗田成芳】