中軸より正捕手! 広島坂倉将吾捕手(23)が7日、マツダスタジアム内で契約交渉を行い、3200万円増の5000万円でサインした。

今季は捕手に加え、一塁でも起用され、プロ初めて規定打席に到達。リーグ2位の打率3割1分5厘、12本塁打、68打点、OPS8割5分7厘の成績で大幅アップを勝ち取った。秋季練習から三塁守備に挑戦しているが、正捕手奪取を目標に掲げた。(金額は推定)

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野手最高評価ともいえる大幅増にも、坂倉は冷静だった。100試合以上の出場に規定打席到達。首位打者争いを経験して打率は2位でフィニッシュした。一塁という新境地も切り開いたシーズンだが、明確な目標を掲げて来季をにらんでいる。

「チーム事情があるので(捕手以外も)しっかりやります。ただ、僕の中ではやっぱり捕手で出たい、勝ちたい。そこだけです。1試合かぶって、マスクとって、あそこ(マウンド)に集まるのは、何にも代えられないものだと思っています。こだわりたい」

球団から評価されたのは中軸としての働きだった。96試合先発の5番を含め100試合クリーンアップを務めた打撃で、年俸は約2・8倍となった。首位打者の鈴木誠に2厘差の打率3割1分5厘を残し、プロ初の2桁本塁打となる12本塁打を記録した。「ずっといいわけではなく、大きな波も経験できたので、価値のある500近い(484)打席だったと思います」。重圧を感じながらも、不調を乗り越えて好結果を残せたことが自信となった。

秋季練習では三塁でノックを受けた。出場の幅を広げるため、春季キャンプも継続する可能性はある。ただ「僕はキャッチャーで出たい。そこに向けて練習していきたい」ときっぱり。今季広島捕手の中で最多62試合でマスクをかぶり「勝てていない現状がある。悔しい思いがありますし、しっかりやらなきゃという思いがある」と決意を新たにした。鈴木誠が抜ける可能性の高い打線の中軸ではなく、会沢がいる正捕手奪取を目標に掲げる。

チーム内の存在感は年々増している。「年下の選手も増えてきているので、示しがつくようにやらないといけない。練習、試合、結果も大事。責任感を持ってやりたい」。まずは扇の要を目指し、いずれはチームの要へと成長することが期待される。【前原淳】