侍ジャパンの金メダリスト左腕、中日大野雄大投手(33)が8日、次世代の侍ジャパン候補に来季3年目の石川昂弥内野手(20)をプッシュした。愛知県庁を訪れ、東京五輪・パラリンピックで活躍した同県ゆかりの選手を表彰する「愛知県スポーツ顕彰」の授与式に出席。19年ドラフト1位入団した大砲の素材を認め、大ブレークを期待した。

「(次の候補には)石川昂弥の名前が出てきますね。2年目の20歳だけど物おじしない、向いている。天性だと思う。まだ実績ゼロだけど、来季ドカンとやりまくって、選ばれるくらいの成績を残して欲しい」

第5回WBCは23年春に開催される見込みで、メンバー入りには来季の大活躍が条件になる。、課した来季ノルマは「打率3割3分、30本塁打、100打点」。侍ジャパンの栗山新監督にアピールすべく、一気の大ブレークを願った。

石川昂は東邦で19年センバツV。通算53本塁打で高校ジャパンの主砲も務めた。だが、プロでは下積みの日々。今季は左尺骨の骨折などで昇格できず、2年間の1軍出場は14試合にとどまる。だが、今秋キャンプは立浪監督らの指導で下半身を強化。フォームも見直し、持ち味のパワー打撃をプロ仕様に本格改良中だ。

その打撃に高いポテンシャルを感じる大野雄は、高卒4年目で侍ジャパンの主力になったヤクルト村上の姿もダブらせ、大きな期待を寄せる。「中日だけじゃなく、ジャパンで頼もしく思われる存在になってほしい」。石川昂の覚醒は竜のV奪回の大きな力になる。エースの熱いエールに結果で応えたい。【伊東大介】

○…大野雄は“侍ジャパン続投”に意欲的だ。東京五輪と19年プレミア12で連続金メダルを獲得。「選ばれたいのは引退するまで変わらない。そういう選手でいるスタイルが大野雄大だと思っている。22年も代表に選ばれるくらいの成績を残したい」。式では首から金メダルを下げ、大村知事から記念の盾を授与された。シーズンは7勝11敗の借金4で終わっただけに、「(立浪)監督に恥をかかせないような結果を出したい」と決意を新たにしていた。

○…「愛知県スポーツ顕彰」の授与式には東京五輪、東京パラリンピックのメダリスト、出場選手ら28人が出席した。女子ソフトボールで金メダルを獲得した後藤希友(みう)投手(20=トヨタ自動車)は、大村知事からスポーツ栄誉賞を授与された。後藤は「五輪決勝の舞台を味わえたのはいい経験。今後はソフトボールやリーグの中心人物になり、28年の五輪で競技が復活することを願っていきたい」と話した。