DeNAのルーキー牧が打率3割1分4厘、22本塁打をマークした。新人の3割打者は98年の坪井(阪神)と高橋(巨人)以来12人目となり、「打率3割+20本塁打」は58年長嶋(巨人)81年石毛(西武)86年清原(西武)に次いで4人目。8月25日阪神戦で新人史上初のサイクル安打を達成するなど、固め打ちが多かった。新人で4安打以上4度は4人目、猛打賞14度は58年長嶋に並ぶタイ記録だ。

「データで見る DeNA・牧秀悟編」PDFはこちら>>

牧は本塁打に加え二塁打が35本、三塁打が3本で長打は合計60本。二塁打は48年笠原(南海)40本に次いで2位、長打も58年長嶋71本に次いで2位となった。打率は46年田川(グレートリング)の3割4分1厘、98年坪井の3割2分7厘に次いで3位(牧は・3141、広岡は・3137)と、数多くの部門で歴代新人記録の3傑入りした。

後半戦に打率を上げた。前半戦終了時の打率はリーグ16位の2割7分7厘だったが、後半戦は191打数71安打で打率3割7分2厘。後半戦の打率は近本(阪神)に2分7厘差をつけたリーグトップで、最終的に首位打者の鈴木誠(広島)に3厘差の3位へ浮上した。新人が打率3傑入りは98年坪井以来4人目。球宴がなかった46年2位の田川を除くと、58年2位の長嶋は前半戦・281→後半戦・344、98年2位の坪井は前半戦・297→後半戦・349と、3人とも球宴後に打ちまくって3位以内に食い込んだ。

新人の本塁打王は過去4人、打点王も58年長嶋が獲得しているが、新人の首位打者はまだいない。牧はあと2安打多ければ初めての新人首位打者になれた。史上初の快挙は逃したが、首位打者と3厘差は46年田川の6厘差を抜く小差。歴代新人の中で首位打者へ最も近づいた男だった。【伊藤友一】