今季、球団史上15年ぶりの新人2桁勝利(10勝9敗)を挙げた日本ハム伊藤大海投手(24)が15日、都内で開催された「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」の表彰式に出席。パ・リーグ新人特別賞を受賞した。今季は開幕から先発ローテーションを守り、侍ジャパンの一員としても野球の東京五輪金メダル獲得に貢献。将来的なビッグタイトル獲得も視野に、2年目の来季に臨む。

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悔しさを心の奥にしまい、胸を張って表彰式に臨んだ。激動のプロ1年目を終えて日本ハム伊藤が手にしたのは、新人王に匹敵する活躍をした選手に贈られる新人特別賞。パ・リーグでただ1人の獲得となった。「まさか受賞できるとは思っていなかったので、本当にうれしく思います。より一層、来年に向けて気合も入って来ました」。新人王レースではオリックスの高卒2年目左腕、宮城にこそ及ばなかったが、堂々の特別賞受賞に「自分が出せるものは出せたのかなと」と、うなずいた。

本人も、ここまでの活躍は、予想していなかったようだ。開幕から先発ローテの一角を担い、交流戦では新人として史上初の防御率と勝利数での2冠に輝いた。さらには、侍ジャパン追加招集からの金メダル獲得。どんな状況にも動じないマウンド度胸を披露し、韓国戦で話題になった“追いロジン”で一躍、全国に名を広めた。

伊藤 大学を1回辞めて、そこからやり直して、いろんな思いを抱えながら今年1年間、戦った。そういう意味では、1つの区切りとして、お世話になった人たちに、プレーを通じて感謝の気持ちを伝えられたのかなという風に思います。

紆余(うよ)曲折をへてたどり着いた夢の舞台で、輝いた1年だった。

目標は明確だ。「先の話にはなりますが、23年開場のエスコンフィールドの開幕投手を絶対に勝ち取りたい」と宣言。そのためにも、2年目の来季はチームトップの勝ち星を狙う。5冠に輝いた侍ジャパンのチームメートで1歳下のオリックス山本をたたえつつ「僕も来年以降、そういうタイトルを視野に入れていきながら、少しでもいい方にと、1日1日を大事にして頑張って行きたい」。進化は、これから。静かに、闘志を燃やした。【中島宙恵】