広島ドラフト2位の森翔平投手(24=三菱重工West)が新年のインタビューに応じ、社会人出身の即戦力として覚悟を語った。最速150キロ左腕は先発、中継ぎを問わず「とにかく1軍」と高いレベルでの野球に食らい付く。社会人で得たもの、同期入団のドラフト1位左腕黒原の存在、プロへの自信-。7日に入寮を控える金の卵が胸中を明かした。【聞き手=前山慎治】

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-明けましておめでとうございます

森 おめでとうございます。

-元日が誕生日ですね

森 「両方おめでとう」と言われます。

-プレゼントとお年玉は一括して?

森 分けてもらっていたと思います。昔は朝からケ-キ食べて、夜はおせち食べてました。

-社会人の2年間はどうだった

森 一番いろんなことを学びました。技術面も精神面もですけど、社会人、会社員として応援されている中で、結果を出さないといけない。予選は負けたら終わりなので、責任感の中で投げられたというのは成長できたと思います。

-野球以外の時間は

森 午前は仕事をしています。デスクワークは苦手です。肩こります(笑い)

-即戦力として期待されているプレッシャーは

森 社会人出身で結果を出して当たり前というところがあるので、そこはプレッシャーにも感じます。その中で結果も出さないといけないので、そこはしっかりやります。

-プレッシャーには強い

森 考えないようにしてます。緊張するタイプなので、あまり考えないようにしています。無になります。感情を取り払って。

-それはずっと

森 去年からです。割と気持ちを出すタイプだったんですけど、ちょっと体がしんどいくらいの方が調子いいんですよ。力抜けて。

-同じ左腕のドラフト1位黒原を意識する?

森 ライバルと言えばライバルの1人なので。高め合えればいいなと思います。

-希望は先発

森 先発したいですけど、どこでもやりたいです。とにかく1軍で投げたいので与えられた場所で仕事をしたいです。

-将来的なビジョンは

森 いやもう、全然想像もつかないので、1年1年が勝負だと思っています。1年1年、1試合1試合やった結果がついてくると思うので。

-理想の投手像

森 勝てるピッチャーになりたいです。勝ちにつなげられるピッチャーに。先発だったら7回投げて失点が少ないとか、中継ぎだったら1-0で絶対抑えるとか。そういう投手になりたいです。

-プロへの自信は

森 自信はないと多分やっていけないと思うので、目標は持っていこうと思います。結局は真っすぐだと思うので、真っすぐで勝負できるようにやっていかないといけないです。

-最後に意気込みを

森 役割は(先発か中継ぎか)分からないですが、任されたところで腕を振ります。とにかく1軍で投げたいので。社会人出身として、結果を求められると思うので、応えられるように頑張ります。

 

取材後記 かねて変化球に関して素人的な疑問を抱いていたので、森に問うた。「変化球と真っすぐを次々と投げ分けて、感覚が入り交じることはないのですか」。相手は一線級。一笑に付されるかと思ったが興味深い返答がきた。「(右打者の)内角に投じたカットボールの後の真っすぐは甘くなりがちです。だからこそ、真っすぐはより厳しいコースを突くようにしています」。森は投手板の一塁側から投じる。右打者への内角球、いわゆる「クロスファイア」は左腕の生命線でもあり、細心の注意を払っている。ルーキー森が厳しく突く内角球に注目したい。【前山慎治】

◆森翔平(もり・しょうへい)1998年(平10)1月1日生まれ、鳥取県出身。鳥取商から関大に進学し、4年時には神宮大会準優勝。三菱重工Westを経て、21年ドラフト2位で広島入り。契約金7500万円、年俸1200万円(いずれも推定)。背番号16。177センチ、80キロ。左投げ左打ち。