10日に82歳で亡くなった漫画家・水島新司さんの作品に数多く登場してきた、ソフトバンクの王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)が17日、故人を悼んだ。

球団を通じて「水島さんは南海、ダイエーとホークスが弱い時に支えていただいた、ホークスの恩人です」と感謝の言葉を贈った。

水島さんは南海ファンで、「あぶさん」の主人公の景浦安武は南海でキャリアをスタート。福岡移転後のダイエーにも所属し、王会長は当時の監督として登場している。また「ドカベン プロ野球編」ではダイエー監督として、ドラフトで人気キャラクターの明訓高校・岩鬼を指名し、交渉権のくじを引き当てる場面も描かれた。現実の世界では09年に、作品の中で現役引退した景浦の引退式を当時の福岡ドームで行ったこともあった。

水島さんが20年に引退を発表した際も王球団会長は感謝。「よく応援していただいて、長い間、野球界に貢献してくださった。特に南海とパ・リーグにとっては良かった。今のパ・リーグの隆盛というか、良くなったことをすごく喜んでくれていると思います」としみじみ話していた。

王球団会長がダイエー監督を務めていた時代には、キャンプ地や遠征先などにたびたび、水島さんが激励に訪れていた。「私がホークスに来た時もキャンプやグラウンドに来て熱心に応援していただきました。ホークスとは縁の深い人でしたので大変残念です。心からご冥福をお祈りいたします」と別れを惜しんだ。