BC・茨城は17日、松田康甫投手(23)が米大リーグ・ドジャースとマイナー契約を結んだことを発表した。

水戸市内で記者会見に臨んだ松田は「小さい頃から憧れていた場所で自分の力を試せる。不安よりも楽しみの方が大きいです。だめならだめで、白黒つけられる」と力強く宣言した。

ケガと闘いながら、米国行きの切符をつかんだ。拓大時代は1年冬に右肩の内視鏡手術を受けた影響で、4年間で登板わずか1試合。BC・茨城に入団した昨季も4月に右肘痛を発症した。7月にトミー・ジョン手術を受ける決断をしたが、直前の6月に球団の色川冬馬GM(32)から電話があった。「ドジャースに行きたいか?」。突然の言葉に「この人は何を言ってんだろう…」と現実の話とは思えなかったという。無事に手術を終え、自身がリハビリに集中している間に話は進み、気付けば契約書にサイン。ドジャースのユニホームを前に「メジャーでトップを争うチーム。かっこいいです」と笑った。

このオフは、リハビリと並行して地元石川・野々市市の富陽小で非常勤講師として勤務。書写と図工を教えている。「週4日先生として働いて、金、土は大阪でリハビリをしています」。7月の投球再開を目指し、トレーニングに励んでいる。回復後の目標は「170キロを投げること」と、とてつもなく大きい。身長193センチ、最速155キロの大型右腕は、幼い頃からの「世界一の野球選手」という夢を、米国でかなえにいく。【阿部泰斉】