日本一奪回へ世界のビッグワンが大号令だ。ソフトバンクは30日、2月1日のキャンプインを前に、福岡市東区の筥崎宮(はこざきぐう)で必勝祈願を行った。コロナ感染した療養者を除き、2年ぶりのチーム全員での参拝。藤本新監督をはじめ、スタッフ、選手ら約180人が手を合わせた。昨季8年ぶりのBクラスに終わった王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)は、“10倍返し”での常勝軍団復活を誓った。

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引き締まった表情の鷹ナインが、筥崎宮を参拝した。又吉やリチャードらコロナ療養組は不参加だったが、チーム全員での必勝祈願は2年ぶりだ。2月1日のキャンプインを前に、藤本新監督以下、スタッフ、選手ら約180人が手を合わせた。王会長もじっと目を閉じながら頭を下げた。「みんなで藤本監督の元に結集して、『絶対勝つぞ』という気持ちで祈願しました」。

日本一を逃した昨年はコロナ禍を鑑み、代表者約20人だけが参拝した。だが今年は王者に輝いた年に恒例だった「総員祈願」を復活。縁起を担ぐと同時に、心を1つにして1日から始まる宮崎キャンプに備えた。

8年ぶりのBクラスに終わった21年の最終戦から、約3カ月が過ぎた。それでも王会長の胸には「勝負の世界の厳しさというのを去年は知らされた」と無念が残る。5年連続日本一どころか、クライマックスシリーズにも参戦できなかった屈辱は消えない。「我々の気持ちとしては、2倍なのか10倍なのか分からないけど、とにかくそういう気持ち。去年の悔しさを晴らせるように頑張ります」。ドラマ「半沢直樹」の倍返しを優に超える、“10倍返し”の大号令を出した

今年から「特別チームアドバイザー」を兼任。“現場復帰”は監督を退いた08年以来だ。「『会長』だとすごく距離を感じると思いますから、僕はもっと近くにね。選手もいろいろ話をしてほしいし、こっちからも言う」。監督時代に「常勝軍団」の礎を築いたのが王会長。藤本監督と二人三脚でホークス復権に力を尽くす。【只松憲】