日本ハム吉田輝星投手(21)が思わぬ副産物を手にしていた。「スライダーは、びっくりしました」。3番手で登板した8回。ヤクルト赤羽への初球でスライダーを投げて見逃しを奪い、追い込んでから再びスライダーで空振り三振。これまでの横変化から「ちょっと縦(変化)になった」という軌道に驚いた。

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2月の春季キャンプではスライダーを封印していた。元阪神の藤川氏に助言をもらい「スライダーは横に曲がる成分が強い球種なので真っすぐ、カーブ、フォークという縦軸のボールを投げていかないと、あの投げ方は習得できないなと思って(スライダーは)練習していなかった」。腕が今まで以上に縦振りとなった新フォームを定着させるため、あえて距離を置いていた。

ただ、この日は2イニング登板予定で「1球くらいカウント取りで使って試せればいい」とスライダーを投げると、軌道や打者の反応も違った。「フォームがなじんできているのでスライダーもしっかり強く、直球と同じように投げられている」。走者を背負ってからの投球に課題こそ残したが、力強い直球を求める中で、開幕ローテ候補のひとりが新たな手応えを得た。【木下大輔】