西武ドラフト1位隅田知一郎投手(22=西日本工大)は26日のオリックスとの開幕2戦目(ベルーナドーム)の登板が有力となった。

西武の新人がシーズン2試合目で先発投手を務めれば、79年森繁和以来、43年ぶりとなる。この日は6回を投げ、毎回8安打を許し、「本当はもっと点を取られてもおかしくなかった」と反省。ただ、失点は3と試合を作り、状況に応じた多彩な投球術が光った。

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狙って「三振」を奪えた。レアードに適時二塁打を許した後の4回二、三塁。内野ゴロも外野フライも嫌な状況で、打たせて取る投球が激変。奪三振マシンと化した。山口を直球4球で、1-2と追い込む。122キロ低めチェンジアップこそ見極められたが、続く118キロカーブを膝元に決め、まったく反応させなかった。続く藤岡は、この日最速タイ149キロ直球で空振り三振。最高の形でアウトを重ね最少失点にした。

狙って「併殺」にも仕留められる。2回1死一塁。エチェバリアにチェンジアップでタイミングを外し、注文通り遊-二-一の併殺を完成させた。リクエストによって一塁セーフになったもの以外にも、“際どい”のが2度。走者一塁でうまく内野ゴロを打たせられる。打者を観察しながら「タイミングを外してやろうという気で投げてます」。勝てる投手の要素が詰まっていた。

狙って「クイック」で刺せる。間も工夫して「いいスタートを切られないように」。1回、3回と先頭打者を許したが、ともに二塁盗塁を試みた高部、岡をアウトにした。柘植の好送球もあったが、クイックも盗塁阻止の大きな要因だった。

辻監督はこのまま中6日の調整でシーズンに入ることを示唆。2週間後の土曜日。4球団競合左腕は、シーズンのマウンドで真価を発揮する。【上田悠太】