プロ野球が開幕した。25日、楽天は本拠地・楽天生命パークにロッテを迎えた。

就任2年目の石井一久GM兼監督(48)は投手、野手ともに新人選手を起用。打線が振るわず黒星発進となったが、フレッシュな風を吹かせて昨季の3位から浮上を誓うシーズンのスタートを切った。開幕投手は球団史上最多7度目の則本昂大投手(31)が務めた。

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スタンドを埋めた2万人超の観客を、石井GM兼監督は歓迎した。「観客席というのは必ず見える。レフトスタンドにすごく入ってくれてるなとか。ありがたみは、こういう仕事に携わってからの方がある。そこは常に意識してますね。選手も力になったりする」。直近2年間は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、動員数に制限があった。来たい人が見に来られる環境が戻りつつある。

ファンに見せたいのは、今と未来の強さを両にらみした編成。ドラフト2位の安田を「8番捕手」でフル出場させた。新人捕手の開幕マスクは球団史上初だった。リリーフで7回は同6位の西垣を、9回は育成から昇格したての小峯を送り込んだ。「活性化しないとチームが低迷する。若い選手が出てくるのはすごく大事なこと。本当はもっと若い子を入れたいです。だけど勝利と育成のバランスはすごく難しい。一番の目標は常勝チームにするってことなので」。

勝つために、先発マウンドは経験豊富な則本に任せた。過去6度、開幕投手の大役を務めてきた。5回まで被安打ゼロと頼もしい立ち上がり。しかし6回に四球から3点を失った。「投手戦なので、緊迫感の中で1点も許したくない気持ちがかえって大きい失点になってしまった。投球自体はよかったと思います」。打線がロッテ石川を打ちあぐね、援護できなかった。

無得点に封じられたが、まだ143試合のうちの1試合。「昨年と違って負けからのスタートになりましたが、長丁場、チームとして一致団結して今シーズンを勝ちきりたい」と切り替える。若手選手にも、求めるのは自信を持ってプレーすることだ。「失敗はつきもの。思い切ってやってくれればいい。思い切りがなくなるときは、いいプレーを見せてもらいたい」。あと2試合、萎縮せずにカード勝ち越しを狙う。