ソフトバンク藤本博史監督(58)が、球史に名を残した。球団では南海時代の55年以来、67年ぶりとなる開幕7連勝。新人監督としては、NPB全体でも史上初の快挙だ。主将に任命した柳田悠岐外野手(33)のソロ本塁打で1-0の勝利。「BIGBOSS」日本ハムへのカード3連勝から始まった「BIG FACE」の快進撃はどこまで続くか。

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快記録を祝うかのように、試合後の空から4月には珍しい雪がちらついた。新人監督新記録の開幕7連勝を決めた藤本監督は、寒さに「BIG FACE」を赤らめながら「これはオレがやってるわけじゃなくて、選手が守りも打つ方も、みんなで勝ってくれてるわけで。ぼくだけの力じゃないというのはわかってますし、みんなのおかげです」と選手たちに感謝した。

開幕からすべて3点差以内での決着。この日もスコアは「1-0」と究極の接戦になった。虎の子の決勝点を生み出したのは柳田だ。0-0の4回1死、楽天涌井の低め変化球に体勢を崩しながら、左翼席まで運ぶ今季1号先制ソロ。指揮官は「変態打ちみたいな感じでね。それだけ力があるってことやから。あのホームラン1本で、明日から変わってくるんじゃない」と、試合前時点で打率1割台だった主砲の復調の兆しに喜んだ。

藤本監督は昨秋に就任すると、柳田を主将に任命した。柳田の新人時代に2軍コーチとして指導し、現在に至る礎を作った“師匠”は「若手に慕われてるし、そろそろそういう引っ張る年代の年になっていると思う。彼自身の成績もキャプテンという自覚で上がってくるんじゃないかなと考えています」と、もう一皮むけることを期待し肩書を与えた。そんな新リーダーが、歴史的な1勝をプレゼントしてくれた。

前日は千葉でのデーゲーム後、仙台へ移動。東北新幹線が不通のため、チームはバスで5時間以上の長旅だった。試合中の気温は約5度と冷え込み、相手先発が急きょ変更になるなど、逆境の要素は少なくなかったが、わずか2安打での「省エネ」勝利で疲れを吹き飛ばした。

開幕から接戦ばかりを制してきた藤本監督は「肩凝ってしょうがないです。これからもこういう試合は増えていくでしょうけど、打線の方がもう少し爆発するようにね。打撃コーチにお願いしておきます」と、打線爆発で「安泰」の8連勝を希望した。【山本大地】

 

ソフトバンク柳田(4回に決勝の1号ソロ)「勝てたのは投手のおかげです。芯に当たっていい感じで打てたので、あそこまで飛んだと思います。(藤本監督の記録に)おめでとうございます!」

 

ソフトバンク森(9回1死二塁のピンチも無失点で5セーブ目)「6連勝して仙台に来て、初戦を取ることができてよかった。チーム全員が頑張っている。自分もその中で貢献できているのでうれしい」