ソフトバンクが20年ぶりに三重殺を喫し、今季初めて完封負けした。今カード1勝1敗1分けで、63年以来59年ぶりとなる開幕から5カード連続の勝ち越しを逃した。

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珍しい「トリプルプレー」は、0-2の5回無死一、二塁で起こった。9番甲斐がバントを試みるも、2ストライクと追い込まれる。5球目にバスターで放ったゴロが、三塁・山田の正面に。山田が三塁ベースを踏み、二塁→一塁と転送されて3アウト。一瞬にしてチャンスが消えた。

球団ではダイエー時代の02年6月29日、近鉄戦(福岡ドーム)の7回に喫して以来。藤本博史監督(58)は「2ストライクまでにバントを決めないと。でも“タラレバ”。トリプルプレーを食らったのはどうしようもないんだから、いい糧に」と、甲斐の背中を押した。

打線は元気なく、今季最少タイの2安打に終わった。21イニング連続無得点は今季最長。ただこの日でパ・リーグ5球団との対戦が一回りし、10勝2敗1分け。8つの貯金を作り、首位に立っている。指揮官も「上出来ですわ」とうなずいた。完敗のショックを引きずることはない。

下半身の張りで2試合連続欠場した三森は、近日中に戦列復帰する見込み。いずれもチームトップの打率3割6分6厘、15安打、2本塁打、9打点のリードオフマンが戻れば、勢いは復活する。藤本監督は「明後日(12日ロッテ戦)から、また開幕のつもりで戦っていきたいと思います」と出直しを誓った。【只松憲】

 

▼西武が5回に三重殺。甲斐の三塁ゴロを捕球した山田が三塁ベースを踏み、二塁、一塁と転送して完成した。西武は昨年8月14日楽天戦で三重殺を記録しており、この時以来プロ野球173度目、パ・リーグ86度目。

▼ロッテ-オリックス戦では佐々木朗が完全試合を達成。1日に完全試合と三重殺が記録されたのは、57年8月21日に金田(国鉄)が中日戦で完全試合達成、南海が近鉄戦の4回に三重殺を完成して以来、65年ぶり2度目の珍事。