主砲に待望の1発が出た。楽天島内宏明外野手(32)は3回1死二塁の第2打席、1ボールから日本ハム立野の低め142キロ直球をたたいた。右翼席中段へ運ぶ特大の1号2ラン。この回6点目を奪った打撃で、チームを活気づけた。「今年もしかして1本も打てないんじゃないかと思っていたので、まずホッとしています」と安堵(あんど)。今季67打席目の快音に笑顔だった。

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例年スロースターター気味だが、今季は特に強くバットを振れていない感覚がある。「今ちょっとフォームも結構ぐちゃぐちゃなので、あんまり状態もいいとは言えない」と打ち明ける。意識するのはとにかくボールを「しばく」こと。強いスイングを心がけ、5試合連続安打中と上向き。光が見えつつある。

不動の4番も、その座を拒否し続けているのはファンの中ではおなじみ。「長打力があって、しっかりチャンスでかえせる人が適任かなと思うんですけど…」とポツリ。昨季打点王の実績を持っているが、満足はしていない。

自重する主砲を中心に、今季の打線は好調。リーグ最少の16試合で最多74得点を挙げる。開幕から好調を維持する打線を、石井GM兼監督は「後手に回らずしっかりとスイングをするということ。スイングしていく中で、積極的に打つ。追い込まれても粘り強くバッティングすることができている」と分析する。19日には日本ハム加藤にわずか90球での完封を許したが、逆に言えば早いカウントから勝負を仕掛けていった結果。振って、振って、相手投手にプレッシャーをかけ続けている。

4カード連続の勝ち越しで、2位ソフトバンクとの差を1・5に広げた。シーズンはまだ始まったばかりだが、9年ぶりの優勝へ向けて雰囲気はいい。積極スイングで、試合の流れをつかんでいく。【湯本勝大】