オリックスが今季6度目の5割復帰チャレンジに成功し、最大4あった借金を完済した。3番に座る若武者が頼もしい。紅林弘太郎内野手が同点の9回1死二、三塁。堀の真っすぐをとらえ、左前に決勝の適時打を決めた。

「あまり考えすぎず、来た球を打ってやろうと。後ろ(4番)が正尚さんなので、三振しても良いぐらいの気持ちで(打席に)入りました」

初球から積極的に仕掛け「良いところに落ちてくれた。気持ちで持っていけた」と、一塁ベース上で右拳を上げた。グラウンドに転がるバットは折れていたが、外野まで力で運んだ。

3番に紅林が座った試合は10勝2敗の勝率8割3分3厘で、打線を勢いづけている。この日杉本らのコロナ離脱もあり「主砲がいなくなったのは、チームとして痛い。全員でカバーしていければ」と力を込めた。

2軍監督時代から手塩にかける中嶋監督は「頑張ってほしいですね。率が低いんで、もうちょっと頑張れよと思います」と愛のムチを打った。打率2割1分7厘の紅林だが、得点圏打率は15打数7安打の4割6分7厘。「勝ちを決める1本を…頑張りたい」と苦笑い。伸び盛りの20歳が、強く、大きく育つ。【真柴健】

 

○…先制2ランを含む3打点の吉田正尚外野手が、状態を上げてきた。初回に2号2ランを放ち「しっかりと前で、強く捉えることができました」と振り返った。9回にも適時打を放ち、マルチ安打。開幕直後は一時打率1割台も経験したが、これで2割9分5厘。得点圏打率は5割2分4厘と、選手会長はチャンスに強い。

○…同点の7回無死満塁で登板した2番手阿部が、気迫の6球を投じ、無失点で切り抜けた。先頭の今川を中飛、続く石井を捕邪飛に仕留めると、最後は近藤を中飛に打ち取り、渾身(こんしん)のガッツポーズを決めた。投球練習を終えると「高山コーチ、寅威さん(伏見)に開き直ってと言ってもらった」と背中を押された。取材対応中には「今日のヒーロー!」とナインから声をかけられた。

○…26日の日本ハム戦で日米通算200セーブを記録した守護神の平野佳寿投手が、2日連続のセーブをマークした。名球会入りの250セーブに「先を見ずに、1歩ずつ。少しだけ前を見てやっていきたい。その積み重ね」と話す鉄腕は、2点を勝ち越した9回の裏を締めてリーグ単独トップの8セーブ目。最善の準備で数字を伸ばしていく。

▽オリックス宮城(7回途中2失点)「7回の(守備の)連係のところを反省しなければいけません」

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