エースが帰ってきた! 楽天則本昂大投手(31)が、今季初勝利を挙げた。開幕投手を務めた3月25日ロッテ戦以来のマウンドで、5回を9安打4四球と毎回得点圏に走者を置くも、1失点とゲームメーク。粘ってリードを守り、降雨による6回コールド勝ちに貢献し、2位ソフトバンクとのゲーム差を4に広げた。先発予定だった4月1日に新型コロナウイルス陽性が判明し、離脱が長引いたが、復帰戦を白星で飾った。

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ぬかるむマウンドで、楽天則本が踏ん張り続けた。足元やボールが滑り、普段通り投げるのは難しい天候。それでも、なんとかもがいた。毎回得点圏に走者を置くピンチ。直球は150キロを超え、力強さはあったが、4四球と制球にも苦しんだ。4回まで無失点で切り抜けてきたが、2点リードの5回1死から5連打を浴びて失点。さらに2死満塁で代打牧原大には、カウント1-2から低めのフォークで空振り三振。「どんな形でも最後アウトに取る気持ちで投げた」。感情を爆発させ、両手をたたきながらほえた。

3月25日に自身7度目の開幕投手を務め、5回1/3を3安打3失点で負け投手になった。「中36日」と間隔が空いた2度目の登板で白星を手にした。「野手のみんなが本当に頑張ってくれて勝てた1勝。開幕戦負けて、スタートは僕個人としてはダメだったので、まず勝ちがついて、ようやくスタートできたかなと思います」と前を向いた。

本来なら2戦目は4月1日ソフトバンク戦の予告先発だったが、新型コロナ感染で緊急回避。その後、39度の高熱にも苦しんだ。隔離期間中もストレッチ程度しか体を動かせず。「筋量は落ちたと思う。今戻り切ったかと言ったら、そうじゃないと思う」と率直に打ち明ける。療養を終えてからは、4月19日の2軍戦で登板したのみ。まだ万全な状態とはいえなかった。

グラウンドや体の状態が100%ではなくても、最低限の仕事で貢献。「現状でできるプレーが今日はできた」とうなずく。仲間に助けてもらった中での1勝。次は快投で、勝利を引き寄せる。【湯本勝大】

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