「デジャブ満弾」で首位浮上ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、史上9人目となる2試合連続グランドスラムを放ち、チームを3月28日以来の首位浮上に導いた。前日6日と同じ3回無死満塁、シューメーカーからライナーで右翼席中段へ。巨人戦に限れば、史上初の出来事。打点を31に伸ばし、巨人岡本和を抜いてリーグトップに浮上した。

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ざわめきを歓声が打ち消した。2点リードの3回無死満塁、村上がゆっくりと左打席に入ると、3万7891人が詰めかけた場内に、どよめきが広がった。前夜とまったく同じ状況。燕ファンの期待が高まる中、3球目の内角低め136キロスプリットを完璧に捉えた。4月19日中日戦以来となる右方向への1発。「みんなが作ってくれたチャンスだったので何とかしたかったです。最高の形になってくれて良かった」。球団史上初、NPB史上9人目の快挙を喜んだ。

ここ8試合で4本塁打と量産態勢に入った。それでも「1本出る時は出ますけど、その後の打席がダメなので。そういうところもしっかり修正しながらやりたい」と、凡退した3打席目以降を反省。2試合連続の満塁弾も「前の打者、先輩方がつないでくれないと記録になりませんし。そういったところで1本打てたところは自信になりますけど、前の打者の方々に感謝しながら、これからも打ち続けていければ」と謙虚に振り返った。

1回の山田の先制2ランに続き、今季3度目の「YMアベック弾」。高津監督も「彼に求めるのはランナーをかえすこと。しっかり狙い球を絞って、いい仕事をしてくれていると思います」とうなずいた。

8日の「母の日」を首位で迎える。村上は「育ててくれてありがとう、という気持ちは常に持っています。ご飯もたくさん作ってくれてましたし、すごく感謝してます」と故郷熊本を思い出す。今の状態と好調のチーム状況なら…。史上初の3試合連続グランドスラムも夢物語ではない。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(連勝で首位浮上) まだまだ長いので。状態をキープというか、もっともっとチーム力を上げていくことに専念したいと思います。

▼村上が前日に続き満塁本塁打。2試合連続満塁本塁打は18年杉本(オリックス)以来9人目のプロ野球タイ記録で、セ・リーグでは53年藤村富(阪神)06年ウッズ(中日)に次いで3人目。2試合とも4番で打ったのは53年藤村富、05年ベニー(ロッテ)06年ウッズに次いで4人目となり、村上の22歳3カ月は杉本の27歳3カ月を抜いて2試合連続満塁本塁打の最年少記録。村上は満塁での打率が年々上がり、今季の満塁機は三振、中安、中安、中本、右本と5打数4安打、打率8割を記録している。

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