小園復活で首位復帰だ! 広島小園海斗内野手(21)が今季3度目となる猛打賞の活躍で勝利に貢献した。5戦連続安打で一時はリーグ最下位の1割5分3厘だった打率も2割に乗った。首位ヤクルトが敗れたため、4月18日以来23日ぶりに首位に躍り出た。

苦しんだ正遊撃手に笑顔が戻ってきた。1点ビハインドの6回1死一塁では右中間を真っ二つに割る適時三塁打。試合を同点に戻した。「今まで迷惑ばかりかけてきた。しっかり継続していきたい」。悔しさを糧に結果につなげた。

喜びの勢いが走塁にも乗った。三塁走者として残り、次打者末包の浅い中飛に迷わずタッチアップ。送球が三塁方向にそれたこともあり、勝ち越しのホームに足から滑り込んだ。決勝犠飛の末包は「内野も前に来ていた。ヒットを打てればいいが、犠飛でもいい、と。最低限の仕事ができて良かった」と役割を果たし胸を張った。若ゴイがフレッシュに甲子園で躍動した。

チームは今季2度目の4連勝。前日ゲーム差なしの2位に迫ったヤクルトを追い抜き、23日ぶりに首位に立った。貯金も今季最多に並ぶ「7」まで積み上げたが佐々岡監督は「まだまだね。1試合、1試合」と緩みは一切見せない。こどもの日も終わり、街から鯉(こい)のぼりは消えた。だが甲子園に乗り込んだ鯉戦士はまだまだ上を目指し、尾びれを揺らしている。鯉の季節はまだまだ続く。【前山慎治】

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