ロッテ佐々木朗希投手(20)が13日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に先発する。

声を出す応援ができないコロナ禍の現在、選手名やメッセージが書かれたタオルを掲げるファンも多い。佐々木朗の先発時にも多く広げられるが、その中に「信じてる。」というメッセージタオルがある。前回4月24日、同じ京セラドームでのオリックス戦のスタンドでも多く見られた。

3月末に発売された球団公式グッズで、全20選手のラインアップがある。サウナ好きで知られる石川歩投手(34)の「ととのう」タオルは特に人気で、一時的に品切れになったことも。担当記者の私も、その「ととのう」と角中勝也外野手(34)の「がんばれ。」を衝動買いした(ととのう、は入荷待ちした)。

それはさておき、佐々木朗の「信じてる。」だ。タイミングを逃していたが、今回ようやく理由を本人に聞くことができた。

「掲げるので、メッセージ性があった方がいいかなと思って」

重要視していたのはメッセージ性。グッズの本質を突いていた。

「僕の中で座右の銘とかも何もないので、こう、使いやすいかなと思って選びました」

使いやすいかな-。自分の好きな言葉を選ぶ選択肢も普通に考えられる中で、ファンが主語になっているのに驚かされる。信じてる-。誰が何を信じてる、の意味なのだろうか。

「いろいろな受け取りができるように選びました」

そこまで考えていることにちょっとゾクッとした。「信じてる。」を媒介にした、マウンドとスタンドの無言の勇気づけ。その直球で、何度もどよめかせてきた。「去年、入場制限がある中でもすごく力になりましたし、今年は何回か満員の中で投げたりできて、すごく力になりました」と、ファンへ寄せる思いは強い。

京セラドームでは、ロッテファンが三塁側に多く座る。セットポジションに構え、差し出された「信じてる。」を正面に見ながら、左足を舞い上げる。【金子真仁】