仲間の思いを背負い、嫌な記憶もよみがえる中で仕事を果たした。西武山川穂高内野手(30)が初回に左中間へ適時打を放った。

1点を先制し、なおも1死二塁のチャンス。カウント3-2からの6球目。日本ハム先発伊藤の外角低め132キロスライダーをうまく運んだ。少しバットの先。ただ強く振り抜いた打球は、しっかり左中間へ飛んでいった。「打ててよかったです」。そう淡々と振り返った。本塁打、打点のリーグ2冠王は、これで6試合連続安打。打点は7試合ぶりだった。

気迫あふれた全力プレーは、時に代償もつきまとう。必死につないでもらったチャンスだった。2番金子が無死二塁からセーフティーバントに成功し、一、三塁にチャンスは拡大した。しかし、全力で駆け抜け、右足を負傷。そのまま交代を余儀なくされていた。

自身も嫌な記憶がある。負傷交代の苦しみ、つらさはよく分かる。タイムリー直後の守備。一塁の守備位置に、清めの塩をまく姿があった。3月30日。くしくも同じ札幌ドーム。山川自身も三塁をオーバーランした際、右太もも裏を肉離れをしていた。軽度で済んだが、14試合を欠場していた。仲間の思いもバットに込めた。

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