日本ハム新庄剛志監督(50)率いる「泣き虫集団」が、連夜の熱戦を制した。5回に右翼を守っていた万波中正外野手(22)の後逸もあって2点リードを追いつかれたが、8回、横浜高の先輩が後輩のミスをカバーする大仕事。浅間大基外野手(25)が勝ち越しの決勝アーチを右翼席へ運んだ。試合後、万波は涙。連日、勝って選手が泣く展開にBIGBOSSは「明日は誰かな?」。監督として公式戦初対決となった巨人との初戦を取り、2連勝だ。

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毎日、誰かが泣いている。そんなチームが、1つくらいあっていい。連夜の熱戦を制した新庄監督は「いや~、もういいよ。こんな試合ばっかし。また? と思ったもん」。5回に2点リードを追いつかれたが、8回1死、浅間が右翼席に決勝の3号アーチ。前カードのヤクルト戦から4試合連続で終盤にもつれる展開に苦笑いも、「でもね、これで選手たちの自信がさらにパワーアップしていく」と満足げだ。

前日26日ヤクルト戦では、2試合連続サヨナラ本塁打を浴びていた守護神の北山が、三度目の正直で試合を締めて涙。この日は、万波が泣いた。5回の守備で右前打の打球を後逸し、2人の走者をホームにかえしていた。ミスを帳消しにしたのは横浜高の先輩、浅間の1発だった。BIGBOSSは「万波君がミスをした後に(先発の上沢が)『大丈夫、大丈夫。オレに任せろ』と。チームワークの良さが出ていた。あれを見た時は、うれしかった。昨日は北山君、今日は万波君。明日は誰かな? 泣き虫集団、いいね」と、ひた向きな選手たちに目尻を下げた。

3回は奇策で先制点をもぎとった。1死三塁から仕掛けたエンドランが成功。適時打なしで1点を取るBIGBOSSの大好きな野球を、幼少期から憧れてきた巨人に見せつけた。「ハードなことをずっとやってきたから、普通のプレーが簡単になってきているんじゃないかな。この気持ちを忘れずにやっていってもらったら、自然にいいチームになると思う」。この日から、入場制限がなくなった札幌ドーム。ドラマチックな4夜連続の熱戦は、チームの成長を証明していた。【中島宙恵】

▽日本ハム浅間(同点の8回に決勝の3号ソロ)「マンチュウ(万波)が(ミスをした後も)ベンチで声を出していた。何とかしようという気持ちがすごく見えた。結果として、カバー出来たのは先輩として良かった」