中日根尾昂外野手(22)がプロ2度目の投手起用も0封で応えた。0-8の大量ビハインドで8回に5番手で登板。2試合連続1回を1安打無失点に抑えた。

21日広島戦の投手デビューから「中7日」。再び結果を出した。先頭の代打小田は145キロの直球で中飛。2番宗には、初球に大阪桐蔭の二刀流時代の決め球だった宝刀のスライダーではなく、珍しい138キロのフォークを披露。最後は真っすぐで二ゴロに斬った。代打宜保に右前打を許したが、4番マッカーシーにはプロ&大阪桐蔭時代を含めて最速タイの150キロを投球。最後は132キロスライダーで中飛に打ち取った。

根尾(これからも)抑えられるように頑張ります。

登板2試合で2回2安打無失点で防御率0・00。敵地ながら高校時代を過ごした大阪で大歓声を浴びた。

意欲的なマウンドだった。6点差をつけられた5回のベンチ。立浪監督から「投げるか?」と聞かれると即答した。「投げます!」。試合前は外野練習に加えて立浪監督直々の遊撃ノックも受けた。指揮官は「外野も内野も(練習して)疲れが出ている。本人も投げたいと言ったので、1イニング行かせた。山本もたくさん投げている。1人でも(リリーフを)投げさせたくないのはあった」と意図を明かした。

投手デビュー前の4月2日の広島戦。バンテリンドームで初めてブルペン準備を行った根尾は強い覚悟を明かしていた。「(今季から)12回までやる。投手も1イニングずつパンパン代えていくと思う。(僕が)行くかもしれないと正直、思っている。そのために、いろいろ準備している」。

野手登録の選手が、年間2試合以上投げるのは、近年では異例中の異例。いよいよ二刀流が本格化の気配だ。登板は大差試合に限られそうだが、31日からはバンテリンドームで楽天、ソフトバンク6連戦。本拠地での投手デビューがあるかも知れない。【伊東大介】

◆野手登録選手の登板 外野手登録の根尾が、2度目の登板を果たした。野手が同一年に複数試合に登板した例としては、97年にオリックスの嘉勢敏弘外野手が2試合に登板。4月18日の初登板では、先頭打者の日本ハム落合博満に本塁打を浴びている。99年には広島のペルドモ内野手が、17試合に登板した例がある。近年の野手の登板はほかに、00年五十嵐章人(オリックス)や20年増田大輝内野手(巨人)の例があるが、1試合だけに終わっている。

○…中日先発柳が今季最短の3回途中5失点でKOされ、チームの連勝も3で止まった。初回先頭福田への死球や中川圭の内野安打で先制を許すと、2回と3回も制球が定まらず2点ずつ失った。「相手と戦うよりも、自分との闘いになってしまいました」と肩を落とした。オリックスに勝てば中日以外の全11球団勝利が完成していたが、来季以降に持ち越された。

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