ソフトバンクが「日本生命・セパ交流戦」の巨人戦で4連勝を飾り、4月15日以来46日ぶりとなる首位に返り咲いた。

勝利の立役者は、36歳の明石健志内野手だ。8回に代打で登場。今季初安打が決勝の適時三塁打となり、チームを逆転勝利に導いた。ベテランが勝負強さを発揮し、リーグ最速で30勝に到達。球団創設以来の通算勝利数5500勝に王手をかけた。

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重苦しさを、一振りで払いのけた。1-1の8回2死二塁。代打の明石が巨人平内のカーブを捉え、右中間を破った。「うれしかったですよ」。言葉は少ないが、声ははずんでいた。5月27日に1軍に再昇格したばかり。ファーム調整をしていたせいか、肌はこんがり焼けている。そんなベテラン36歳が、値千金の一打を放った。

序盤は拙攻地獄だった。初回から4イニング連続で三塁に走者を進めるも、無得点。もどかしい展開が続いていたが、明石の一打で球場の雰囲気が変わった。9回の中村晃の適時打も呼び「結果が出たことはほっとするけど、代打は1日1日で違う。また頑張りたいです」。昨季は「代打は得意じゃない」「(極意が)分かるのなら教えてほしいです」と話していたが、プロ19年目の集中力は違う。ここ一番で真骨頂を見せた。

相手先発のアンドリースは来日初登板。6回無失点の好投を許したが、今季のソフトバンク打線は初顔合わせの先発投手にこの日も含めて10試合で5勝1敗、防御率4・44だ。アンドリースを攻略したとは言えないが、試合には勝った。初物には目下5連勝の記録も、途絶えなかった。

リーグ30勝一番乗りで、4月15日以来46日ぶりとなる首位を奪還。球団創設以来の通算勝利数5500勝に、王手をかけた。華々しい4連勝に、藤本監督は「そんなに首位とか、今は考えていない。1試合1試合戦っていくだけだし、明日からの試合もしっかりと目の前の試合を勝ちに行くだけ」と泰然自若。交流戦で過去8度の勝率1位は、12球団でダントツ。得意の舞台で、ソフトバンクの勢いが増してきた。【只松憲】

○…津森が好救援でチームトップタイの4勝目を挙げた。同点の7回に登板。1死から四球と犠打でピンチを背負ったが、松原を見逃し三振に。8回の勝ち越しを呼び込み「ランナーを出してからも強気で攻めることができた。0点で抑えることができて良かったです」と胸を張った。3試合連続無失点で防御率は0点台に復帰。若きサイド右腕は、ブルペンに欠かせない。

▽ソフトバンク石川(先発し、6回途中1失点)「序盤は自分の中ですごく苦しい投球でした。イニングが進むにつれて、少しずつリズムよく、粘り強く投げることができた。今日も(甲斐)拓也のリード、野手の方の守備にたくさん助けてもらった」

▽ソフトバンク三森(0-1の7回に同点打)「絶対にランナーをかえそうと、強い気持ちで打席に向かいました。うまくタイミングを合わせ、自分のスイングをすることができたと思います」

▽ソフトバンク牧原大(自身初の1試合3盗塁)「出塁することができている結果だと思います。常に隙があれば次の塁を狙う気持ちを持っています。得点に絡むことができていますし、チャンスを広げていけるようにやっていきたいです」

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