トリプルショックだ。広島が「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス3回戦(マツダスタジアム)で逆転負けし、今年初めて勝率5割となった。1点を勝ち越した7回に中継ぎ陣が4失点し、対オリックス戦は18年から12連敗となった。試合前には大瀬良大地投手(30)、西川龍馬外野手(27)の離脱も明らかに。鬼門の交流戦を6試合残す中、佐々岡広島が正念場を迎えている。

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2四球をきっかけにチャンスをつくると、小技を絡めながら相手のミスを誘い、効果的な適時打で一気に逆転-。まさに広島がやりたかった野球を、相手にやられた。1点リードした7回だ。2番手塹江が打者2人に対して1球しかストライクを取れず、連続四球で降板。代わったケムナは無死満塁から代打安達に右翼線に逆転打を打たれると、スクイズやボテボテの内野安打で失点を重ねた。今の広島には、あまりに重い4点。試合はほぼ、決した。

佐々岡監督 ストライクが入らないと勝負にならない。そういう投手を出したのはこちらの責任。最少得点差でも勝ちきっていかないと。点を取った直後の失点が目立っているので、こういう結果になっている。

得点した直後の失点で、流れを手放した。得点した2イニングは、いずれも1点止まり。3回は中村奨が2死一、三塁で先制打を打つも1点に終わり、6回は坂倉の勝ち越し打のあとになおも無死二塁と好機が続くも複数得点を奪えず。絶好機に動かず最少得点に終わっては、連敗中のチームに爆発力は生まれない。

試合前には、投打の柱の離脱が発表された。3日オリックス戦に先発して5回4失点の大瀬良は登板3試合連続4失点以上と本来の姿とはほど遠く、「再調整」となった。主に3番で打線をけん引していた西川は下半身のコンディション不良のため、リハビリに専念することに。4年連続開幕投手からリーグ2位タイの投球回69回、同3位の1123球を投げてきたエースと、チーム最多安打のバットマンの離脱はあまりにも痛い。

オリックスには18年から12連敗となり、開幕ダッシュで蓄えた貯金も使い果たした。単独最下位を独走する交流戦は、まだ6試合残っている。佐々岡監督は「残り1週間ありますし、頑張ります」と、言葉を絞り出すように試合後取材を締めた。佐々岡広島にとって、今が正念場。やられっぱなしで終わるわけにはいかない。【前原淳】

▽広島アンダーソン(6回1失点も勝ち星付かず)「カーブ、スライダーがすごくいいところに決まりました。自分が思ったところに意図して投げられたと思います。その結果、真っすぐも生きました」

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