阪神の連勝は6で止まった。「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で今季14度目の0封負け。西純矢投手(20)が7回を内野ゴロの間による1失点と好投。ただ打線の援護がなく、8回1死満塁では、大山悠輔内野手(27)、糸原健斗内野手(29)がともに空振り三振に倒れた。ヤクルトが勝ったため1日で交流戦首位から陥落し、リーグ戦は9日に再び自力優勝が消滅する可能性がある。

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西純の好投は最後まで報われなかった。パ首位のタカ打線を相手に7回まで1失点。ただ、打線は10残塁の拙攻で、今季7度目の「0-1」負け。零敗はもう14度目で5試合に1度は喫している計算だ。

8回の絶好機が象徴的だった。1死から中野、近本が連打、佐藤輝は四球を選び、満塁。ここで西純の先発試合では4試合連続で1発を記録していた大山のバットはフルカウントから空を切り、糸原も空振り三振に倒れた。東浜から4投手による0封リレーを食らい、矢野監督は「あれだけいいコースに投げられたら(打つのは)そんな簡単じゃないけど、まあ、ねえ」と落胆。6月の6試合で打率5割5分、5本塁打、12打点だった大山も、3打数無安打、1四球と沈黙。「交流戦で悠輔は頑張ってくれているし、毎回毎回打てるわけじゃないから」とかばいつつ、「点を取りたかったし勝ちたかったけど、そういうのも受け止めていかなあかん試合かなと思います」と引き締めた。

西純は4回の窮地を最少の傷口で乗り越えた。先頭から連打と死球で無死満塁。明石に二ゴロを打たせ1点は許したが、今宮をフォークで空振り三振、最後は中村晃を二ゴロに。「あそこで最少失点で抑えることができたというのは自信になるというか、7回まで投げられたというのは自信にしていいんじゃないかなと思います」。敗れてもその内容には胸を張った。

本調子ではない中、試合をつくった若き右腕に矢野監督も「(4回を)1点で切り抜けられたのはナイスピッチング」と評価。「体も疲れてきたり、相手も慣れてきたり研究されたりする中で、どう抑えていくかがこれからプロで大事になる。経験から学んでいってくれたら」と今後に期待した。

今季最長タイだった6連勝で止まり、交流戦は首位で並んでいたヤクルトに1ゲーム差をつけられて2位に後退した。【古財稜明】

▼阪神の完封負けは今季14度目。年間32度に達する勢いだ。球団最多の63年24度どころか、プロ野球最多の56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)の31度を超えるペースだ。

▼このうち0-1敗戦は7度目で、全完封負けのちょうど半数。交流戦に入ってからは5月26日楽天戦に次いで2度目。同一年の交流戦で0-1の負けが2度は、球団初となった。

▼阪神は最短で9日に自力優勝が消滅する。条件は(1)ヤクルト○の場合、阪神●または△(2)ヤクルト△の場合、阪神●。

○…藤浪は落ち着いたマウンドさばきが光った。1点ビハインドの8回に登板。9番甲斐を不運な内野安打で出したが、1番三森はフォークで三ゴロに。1死一塁では素早いけん制球で走者三森の逆を突き、リクエストでアウトをもぎ取った。最後は2番牧原大を147キロフォークで空振り三振に仕留めて「任された場面で仕事ができて良かったです」。最速は159キロ。中継ぎで1軍再昇格後、4試合で5イニング連続無失点と好調だ。

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