中大(1部6位)が逆転サヨナラ勝ちで東洋大(2部1位)を下し、1部残留を決めた。

1点ビハインドの9回。相手の失策が絡んで同点に追いつき、なお無死一、三塁。日本ハム石井一成内野手を兄に持つ、5番の石井巧内野手(3年=作新学院)が中前へサヨナラ適時打を放った。一塁を回ったところで突っ伏して喜びを爆発。ナインとともにうれし涙を流した。

21日の第2戦で本塁打を放った4番北村の犠打で迎えた好機だった。石井は「北村さんが『(犠打を)絶対決めるから、何も迷うことなく初球から思い切っていけ』と声をかけてくれた。あの打席は無心というか、ベンチの声も、スタンドからの声もしっかり聞こえた。最後自分が決めた形にはなりましたけど、ベンチのメンバー、スタンドで応援してくれたみんなの気持ちがそういう結果にしてくれた」と、真っ赤な目で感謝を伝えた。

今季は史上初の三つどもえ順位決定戦を経験。この入れ替え戦も第1戦を落とし、崖っぷちの状況から2連勝した。劇的な形で08年秋から続く1部残留を決めた。

清水達也監督(58)は涙ながらに「本来でしたら、この場に選手を立たせてはいけない…。指導の仕方が良くないのかなとも思った。それでも、最後にこいつらが成長してくれたことが僕自身、本当にうれしいです」と話した。