最大風速15メートルの風に、金髪パーマがなびいた。オリックス山岡泰輔投手(26)が、9回108球4安打無失点の力投で4年ぶりの完封勝利を飾った。18年9月15日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、自身3度目の完封劇場。今季5勝目の記念球は、いつものようにスタンドのちびっ子ファンに手渡した。

「完封した僕がボールを持って帰るよりも、球場に見に来てくれた子がもらう方がうれしいと思う。それで、また見に来てくれたらいいなと」

プロ通算40勝目だが、手元にある記念球は3つだけ。17年のプロ初勝利、同年のプロ初完封の記念球は広島の実家に贈り、昨年の日本シリーズ第5戦(東京ドーム)で救援登板してつかんだ勝利球は自宅に。喜ぶ顔のため腕を振り切った。

吹き荒れた強風には「体が細いから、すぐ(風に)やられる」と笑った。8回終了時に中嶋監督から「行くか?」と聞かれた。深くうなずくと、指揮官は「やったれ」と、信頼して送り出した。

山岡はこれで防御率1・51で山本、佐々木朗を抜き、リーグトップだが、25日は山本が先発予定で「明日に投げる投手にすぐ抜かれると思う。頑張って追い付いていこうと思います」と控えめに話した。

強風ゆえ、マウンドに立つだけで体力を使うZOZOマリン。ここで、9回を投げきり「これ(完封)を続けられる投手ってすごいなと。そういう投手になっていかないといけない気持ちがすごく芽生えた9回だった」。チームはここ5試合で3完封。強力先発陣の奮闘で4位浮上。着実に上位を狙う。【真柴健】

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