近本を止めてキャリアハイだ。広島床田寛樹投手(27)が5日、阪神3連戦(甲子園)の先陣を切る。今季ここまで13戦に先発し、自己最多タイの7勝をマーク。前回甲子園の5月10日は、完封で4勝目を挙げた。今季阪神戦は3戦3勝。さらにチームも11戦9勝2分けの無敗の好相性を誇る。警戒すべきは29試合連続安打中の近本。波に乗るヒットマンを封じて、リーグトップタイの8勝を狙う。

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床田は2つの記録を背負って、今季2度目の甲子園のマウンドに上がる。1つ目は自身の勝利数。今季はここまで13戦に先発し、19年の自己最多に並ぶ7勝(6敗)。勝てばプロ6年目にして更新する8勝で、リーグトップの阪神青柳に並ぶ。「次の試合は勝ちたい。なんとか気合入れてチームが勝てるように」。前半戦でのキャリアハイ更新。強い意気込みで甲子園に乗り込む。

2つ目の記録はチームの開幕から同一球団連勝記録。阪神戦は今季11試合戦い、9勝2分け。10連勝ともなれば、88年に同戦でマークした球団記録の10連勝に並ぶ。「すごく良い戦いができている。その流れに乗っかれれば」。前回甲子園登板時は完封するなど、相性の良いマウンドだ。

2つの記録に立ちはだかるのは、2人の同学年スラッガーだ。1人は連続試合安打中の阪神近本。ここまで歴代8位タイの29試合連続安打中と勢いに乗る。「なんだかんだ僕も1試合に1本打たれている印象。(バットに)当てるのがうまい。1、2打席目を抑えて3打席目に打たれている。対応力がすごい」。虎が誇る安打製造機の流れを断ち、隙を与えない。

もう1人の警戒人物は前回対戦6月21日に2ランを打たれた大山。前日3日に100号を達成するなど、こちらも要注意に変わりない。「自分の手応えのある球(内角低め149キロ)を初球に打たれた。真っすぐでコースを変えるのか、球種を変えるのか。そこは気をつけて考えないといけない」。

前週も火曜日のヤクルト戦に登板したが3点リードの6回に4失点し、敗戦。そこからチームは3連敗となった。「前回普通に投げていれば勝てた試合だと思う。勝てる試合を落としてしまったあとはすごく大事」。今季阪神戦3戦3勝の虎キラーが、勢いに乗るスラッガーたちを止める。【前山慎治】

○…野村が新型コロナウイルス陽性判定を受けた遠藤に代わり、6日の阪神2戦目先発見込みとなった。前回6月10日の西武戦では不調の大瀬良の代役で登板し、618日ぶりの白星をつかんだ。「チャンスをもらったと思うので、良いパフォーマンスを出せるようにしたい。チームが勝てるように試合をつくるのが仕事。そこを全うできるように」。代役から先発ローテーション入りを目指す。

○…アンダーソンが甲子園初登板初勝利を狙う。先発予定だった5月12日の敵地阪神戦は雨天中止。今回は7日に登板予定で「(前回は)雨で流れて残念だった。(甲子園は)とても大きくてお客さんもたくさん入ると思う。次は雨が降らないことを祈っている」と話した。七夕の日の先発で、短冊を書くなら「勝てますように」と笑顔。5試合勝利から遠ざかっている助っ人右腕が3勝目を狙う。

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