阪神ドラフト3位・桐敷拓馬投手(23)のプロ初勝利はお預けとなったが、5回4安打1失点で力投した。初回、広島先頭の堂林を外角への直球で空振り三振に仕留めると、続く上本を中飛、菊池涼にも直球で左飛とテンポよくスタートを切った。しかし、2回に警戒していたマクブルームにカウント2-0から、甘く入った直球を左翼へ運ばれ1点を献上した。「カウント負けして甘くなり本塁打を打たれてしまった」と悔しさをにじませた。

それでも崩れることはなかった。4回の先頭で再びマクブルームとの勝負。狙いすぎないことを意識してカウントを整え、最後は変化球で空振り三振に仕留めた。また、2死では2回に安打を許した磯村に内角攻め。最後は147キロの直球で空振り三振に仕留めた。「前回の反省を生かし、強い直球を投げ込むことができたところは良かったです。抹消されたときと比べて全然成長というか、いい投球はできたかなと思うので、そこはよかった」。

3月27日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)で先発デビューを果たし、5回0/3 8安打3失点の内容だった。この日はプロ3回目の先発で三度目の正直とはならなかったが、しっかりと進化した姿を見せつけた。3万8277人の観客が入った聖地での投球に「緊張は多少ありましたけど、楽しく投げられたかなと」と収穫をつかんだ。8日に1度登録抹消されるが、次回のチャンスへ手応え十分のマウンドとなった。【三宅ひとみ】

○…加治屋が広島の代打・松山にダメ押しの2点打を浴びた。9回に5番手で登板し、マクブルーム、坂倉に連打を浴びて無死一、三塁。磯村のスクイズを好フィールディングで封じ、小園も空振り三振に打ち取って2死一、二塁にまでこぎつけた。だが松山の適時二塁打で0-3と点差を広げられ、勝敗はほぼ決した。痛恨の2失点を問われた矢野監督は「いや、もちろん。1点差で栗林ってなればのびのび投げさせることはできなかったと思うので」とくちびるをかんだ。

○…ケラーが6試合連続で完全救援を見せた。5回1失点と好投した先発・桐敷に続き、6回から登板。2番から始まる広島打線を3人で封じた。ケラーは「桐敷が素晴らしいピッチングをして守備に良い流れを作ってくれていたから、その流れに乗ってマウンドに上がることができたよ」と先発左腕の好投に感謝。6月23日広島戦から6試合連続で1イニングを打者3人で完全に抑える好投を続けているが、この日は勝ちにはつながらなかった。

○…アルカンタラが、6月17日DeNA戦以来の本拠地登板で好投した。リフレッシュ休暇をへて5日に再昇格。0-1の8回にマウンドに上がり、先頭の堂林をこの日の最速155キロ速球で空振り三振。1番からの攻撃を3人で片付けた。「ファームの試合でも甲子園で投げたけれども、やっぱり1軍でこの舞台に戻ってくることができてうれしかったよ。今日はどの球種もよかったと思うし、自分のピッチングができたと思うから、これを続けていきたいね」と意気込んだ。

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