七夕の夜に、ソフトバンクの連勝が3でストップした。打線が楽天先発岸の前に、7回までわずか2安打で無得点。藤本博史監督(58)は「いいコースに投げとったよね。四隅にしっかり投げていてね。岸に完敗やね、今日は」と脱帽だった。

初回1死で周東が四球を選ぶも、牧原大が併殺打。2回は1死一塁からエンドランを狙うも、今宮が三振。柳町も盗塁死で三振ゲッツーになった。7回1死一塁でも再び、牧原大が併殺打。岸がマウンドに立っている間は、1度も走者を二塁まで進められなかった。

藤本監督にとって「7・7」は特別な日だった。ダイエー時代の90年に、日本ハム戦(浜松)でサイクル安打を達成した。試合前には柳田に「七夕といえば?」と聞いたが「ひこ星ですか?」と的外れな回答。「違うわ、俺のサイクルヒットや」と、しっかり教え込む一幕もあった。

だが、この日の仙台は曇り空。球場周辺からは、星の光はほとんど見られなかった。指揮官の勝利を願う思いもかなわず。七夕の寓話(ぐうわ)に出てくる織り姫、ひこ星の距離のように、ソフトバンクにとっても、ホームベースまでが遠い夜になった。

藤本監督は、9回に2点を返して一矢報いた攻撃に「完封されなかったというだけでもね、明日につながると思います」と前向き。コロナ禍で主力を欠いての遠征を3勝1敗で終え「十分ですよ。悲観することもない」と力を込めた。【山本大地】

○…先発大竹が4回途中2失点(自責1)で2敗目を喫した。2回まで打者6人で切ったが、3回1死から岡島、炭谷の連打に暴投で二、三塁とんり、西川の三ゴロを周東がエラーし、先制を許した。4回、銀次、鈴木大を出塁させ1死も取れず66球で降板。「前回登板(6月27日ロッテ戦)の反省をふまえて、しっかりと緩急を使うことを意識してマウンドに上がった。打たれてしまったボールは全部甘くなってしまった」。離脱した和田、千賀の代役として2度の先発登板も2季ぶり勝利は遠く「短いイニングで降板してしまいチームに申し訳ない」と唇をかんだ。

○…中村亮には厳しいプロ初登板となった。2点を追う7回に4番手で登板。いきなり先頭岡島に右前打など長短4安打を許し、3失点。「緊張しました。2軍では振ってくれていた低めのボールを見逃された。でも、自滅の投球はしたくなかったので強気で攻めました」。2年目の育成出身右腕は、2日に支配下登録されたばかり。新背番号「60」も試練のお披露目となった。「今日の経験を絶対に生かさないといけない」と雪辱を誓った。

▽ソフトバンク尾形(約3カ月ぶりの登板で8回の1イニングを3人で抑え)「久しぶりの1軍登板で自分の力を出すことができたと思います。次も頑張ります」

▽ソフトバンク牧原大(9回に2点適時二塁打)「とくかくつなぐ意識で打席に立った。自分のスイングができたことは良かったが、2併殺打でチームに迷惑をかけて申し訳ない」

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