西武が新型コロナウイルスに6選手が感染する窮地を、無失点リレーで乗り越えた。主力を欠きながらも左腕・エンスから始まった0行進を5人継投で、最後は平良海馬投手(22)が代役守護神として締めくくった。主将の源田、抑えの増田を欠きながらも接戦をものにして連敗を回避。首位ソフトバンクと1ゲーム差のまま2位をガッチリとキープした。

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ゼロ行進の最後は、代役守護神・平良が、淡々と締めくくった。9回のマウンド。先頭レアードに153キロ、156キロ、157キロとギアを上げた。ロッテ打線に14打席ぶりに安打を許すも、次打者を1球で二ゴロ併殺打。最後は、3球三振に仕留めゲームに終止符を打った。無失点リレーのまま今季2セーブ目を挙げた平良の内心は「何も変わらないです、気持ちは(登板が)1イニング早くなったぐらいです」と変わることなく大役を果たした。

守護神・増田が不在でも、6回からの継投は盤石だった。森脇、本田、水上が無安打無失点継投。平良は持ち場が8回から9回へ移っても「まあ、みんな雰囲気は変わらずいいので。変わらずにやっていきたいと思います」と気負いは、ない。増田から託されたメッセージは「まったく。急にコロナになっていなくなったので」。無言のメッセージを受け、あるのは無失点に抑える使命。「0点に抑えるという仕事は8回も9回も変わらない。いつも通りやっていきたいなと思います」と不変の心得で臨むだけだ。

飽くなき探求心は、令和の怪物にもアンテナを張る。試合前に、監督推薦により2年連続2度目の球宴出場が発表。興味はロッテ佐々木朗に向けた。「佐々木朗希投手に質問してみたい。どうやったら球が速くなりますか? って聞いてみたいです」。平良自身も最速160キロの剛腕だが、164キロの怪物に興味津々。伸びしろに、球速アップを追求中とあって「1人だけおかしい。やはり、平均球速も佐々木選手はすごい、僕もそういう投手になりたい」と、このときだけは声が弾んだ。

チームは17度目の無失点リレーで連敗を回避した。首位ソフトバンクと1ゲーム差の2位をキープ。でも「あんまり順位とか成績とかを気にせずに、1日1日自分の仕事ができるようにと思ってやっています」と再び淡々。気負わず不変の心意気で、0を刻むだけだ。【栗田成芳】

 

▽西武エンス(5回5安打無失点で6勝目)「ランナーは出したけど要所要所、特に満塁の場面を0点で切り抜けることができたのは良かった。オグレディが貴重なホームランを打ってくれたね」

▽西武オグレディ(2回に先制の決勝12号ソロ)「1球目に失敗したセーフティーバントの次のボールも同じようなボールがきた。バントを失敗したけど、球筋がよく見えたおかげでホームランを打つことができたよ」

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