広島秋山翔吾外野手(34)が、日本復帰25打席目でNPB1036日ぶりとなる本塁打を放った。

1回1死二塁。フルカウントで巨人先発山崎伊から右中間へ1号2ラン。日本球界では西武時代の19年9月13日以来となるアーチをかけた。秋山の先制2ランも1度は追いつかれた。延長11回に磯村の2号満塁弾で熱戦にケリをつけた。アーチ2本で勝ち、3位タイに浮上した。

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1036日ぶりのアーチが劇的勝利の起点になった。広島秋山翔吾外野手(34)が、巨人戦で日本復帰初となる先制の1号2ランを放った。1回1死二塁。フルカウントから巨人先発山崎伊の真ん中低め146キロを右中間席最前列に運んだ。「(外野の)頭だけ越えてくれと思って全力で走っていた」。願いを込めた打球はフェンスを越えた。

広島移籍後、25打席目の快音だ。西武時代に、東京ドームでの打率は3割を超え、相性がよかった。2位を争う巨人との3連戦初戦で強烈な先制パンチ。「ここからスタートという気持ち。(帰国後、東京ドーム)1打席目に出たことは良かった」。NPBでは西武時代の19年9月13日ロッテ戦(メットライフドーム)で放った20号2ラン以来となる1発だ。

秋山加入の新打線がようやくフィットしてきた。広島デビューとなった8日中日戦から3番に組み込まれたが、初回に得点できたのはこの日が初めて。「初回、僕が来てからなかなか点が入っていなかった。投手が投げ出すというところで先行は大事。そういうところでは、いい1本になった」と話した。

2位に0・5差に迫り、阪神と並んで3位に浮上。「最後にイソ(磯村)がおいしいところを持っていってくれた。勢いのつく勝ち方だと思う。ここからまた明日、入りからしっかりやりたい」と激闘の末の勝利をかみしめた。【前山慎治】

○…1番打者の野間が3安打に加え、守備でも好捕を見せた。初回先頭では二塁内野安打で出塁し、秋山の2ランで先制のホームを踏んだ。3回先頭では中前打、5回1死は二塁打を放ち、今季4度目の猛打賞。さらに2回無死の右翼守備では、フェンス際への大飛球にジャンプで好捕球も披露した。どれも欠かせないプレーで勝利に貢献した。

○…先発大瀬良は7回2失点と力投したが、18年4月15日巨人戦以来の東京ドーム白星とはならなかった。2点リードの4回、3連打で無死満塁のピンチは中田の二ゴロで1失点。2-1の6回には2死一塁から大城に右翼フェンス直撃の適時三塁打を打たれ、同点とされた。「反省もいっぱいあるがチームが勝てたので最低限のことができた」。自身8勝目とはならなかったが、試合はつくった。

○…12日のDeNA戦に先発していた九里が、今季初めてブルペン待機した。ここまで登板15戦すべてで先発して3勝6敗。直近5戦では0勝3敗と結果が出ていなかった。佐々岡監督は「当然ここ(東京ドーム)に来ているということは(中継ぎの)戦力として考えている」と言及。昨季13勝で最多勝に輝いた右腕が中継ぎ登板となれば19年9月19日DeNA戦以来となる。

○…プロ12年目の磯村が自身初のグランドスラムを放ち、勝利を呼んだ。2-2の延長11回2死満塁。巨人菊地が投じた初球の甘いスライダーを左中間席に放り込んだ。今季2号のV弾に「初球から来た球、全部を打つつもりでいった。無我夢中で打席に集中できた。最低限の仕事をしたいと常に頑張っている」。最高の働きで、チームを3位タイに押し上げた。

 

【写真たっぷりライブ】初回秋山の先制2ラン&延長11回磯村の勝ち越し満塁弾で広島勝利、3位浮上>>