阪神は25日、育成岩田将貴投手(24)と支配下選手契約を結んだと発表した。契約金は1000万円、年俸は支配下登録選手最低の420万円(金額は推定)で、背番号は「122」から「93」となる。今季阪神で育成から支配下登録されたのは渡辺、才木、島本で、岩田が4人目。これで阪神の支配下選手は上限いっぱいの70人となる。

この日嶌村球団本部長から通達され、さっそく両親に報告。「母親は泣いて喜んでくれましたし、父親はこれからがスタートだから頑張れと言ってくれました」と感慨深げに言った。背番号93については「僕の出身大学が九州産業大学で『キューサン』と言われていたんで、93番は縁がある番号だと思っています」と笑った。

左の変則サイド。九産大九州-九産大を経て、20年育成ドラフト1位で阪神に入団。佐藤輝、伊藤将、中野ら1軍で即戦力として活躍メンバーが同期だ。今季はウエスタン・リーグで30試合に登板し2勝1敗、防御率2・08。6月25日の2軍広島戦から10試合連続無失点で猛アピールに成功していた。

19年夏に左肘のトミー・ジョン手術を受け、約3年が経過。「1軍で活躍することはもちろんですし、息の長い選手になって、トミー・ジョン手術で諦めているような選手の励みになるような選手になりたいと思います」と誓った。

2軍では連投もこなし、体力面も不安はない。球威も戻り、左打者のみならず右打者とも勝負できるようになった。武器のスライダーもさらに曲がりが大きくなるように改良中で、伸びしろ十分。1軍に定着している同じ変則左腕渡辺との相乗効果も期待できる。

1軍の救援陣は好調だが、投手にとって厳しい夏場の試合が続く。後半戦のさらなる逆襲をにらむ虎に、また1人、頼もしい戦力が加わった。

◆岩田将貴(いわた・まさき)1998年(平10)6月16日生まれ、福岡県出身。小学校1年時に吉塚クリッパーズでソフトボールを、吉塚中時代に福岡ボーイズで硬式野球を始める。九産大九州ではエースとして2年春甲子園出場。九産大を経て、20年に育成ドラフト1位で阪神に入団。家族は父、母、姉、兄。178センチ、75キロ。左投げ左打ち。

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